「みんなで一緒に頑張ろう」という熱血指導は逆効果

Q2
子どもにとって学校の何が一番つらいの?

学校にはノルマが多いことが問題ですが、さらに大きな問題は先生がノルマを子どもたち全員に一律で設定することです。「何年生だからこれができるようになろう」と指示されると、苦手な子は失敗し、集団の中で目立ち、つらい思いをすることもあります。

学校にはノルマが多い。それがまず問題なのですが、さらに大きな問題があります。先生がそのノルマを全員に一律で設定することです。国語や算数などの教科学習でも、給食や掃除などの場面でも、先生が子どもたち全員に対して「みんなは何年生だから、これができるようになろう」と指示することがあるのです。

全員に一律のノルマが設定されていると、その活動が苦手な子は、どうしても失敗することが多くなります。集団の中で目立ってしまい、つらい思いをすることもあります。

目標が柔軟に設定されていて、「得意な子はこれくらい」「苦手な子はこれくらい」という見通しが示されていれば、子どもたちはそれぞれのやり方やペースで取り組めますが、柔軟に設定されているケースのほうが少ないように感じます。

むしろ、先生が「みんなで一緒に頑張ろう」と声をかけて、子どもたちを一致団結させようとしている話をよく聞きます。例えば運動会のような学校行事で、全員が一定の課題をクリアするまで、熱心に指導する先生もいます。そうなってくると、みんなと同じようにできない子は肩身の狭い思いをします。自分がみんなの足を引っ張っているという感覚を抱いてしまう子もいます。

勉強ができないために泣いている小学生の女の子
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
※写真はイメージです

「大繩跳び」の緊張感を感じている

全員に一律の課題を設定し、みんなで一緒に活動することを推奨している学校では、あらゆる集団活動が「大縄跳び」のようなものになっていきます。課題を達成することが当たり前とみなされ、失敗した人がひどく目立つようになるのです。うまくできない子は、非常に心細い思いをします。

そこには、みんなと同じようにできない子が弾かれやすい構造があります。それが不登校の要因になることがあるのです。あらゆる場面でプレッシャーがかかっている環境は、どの子どもにとっても厳しいものですが、発達特性がある子にはより厳しい環境となります。

発達特性がある子には苦手なこともあります。その点を理解されず、とにかく「みんなで一緒に」「やればできる」と声をかけられる環境では、失敗することが多くなり、挫折感を味わう場面が増えてしまいます。それでは、学校に行くのがつらくなっても仕方がないのではないでしょうか。