佼成学園【東京都・杉並区/男子校】

アメリカの投資家に英語で売り込み

「部活で日本一になる、勉強で難関大を突破する、グローバルな世界で探究活動をするなど、いろんな生徒がいて、しかも生徒同士がお互いを認め合っている。生徒と教師、生徒同士の距離が近い、のびのびとした校風が魅力ですね」(福本さん)

高校は「難関国公立コース」「総合進学コース」「グローバルコース」に分かれていて、それぞれに探究プログラムが用意されているが、特徴的なのがグローバルコースだ。

最優秀ポスター賞と東武不動産賞を受賞
中高生のための学会「サイエンスキャッスル」で最優秀ポスター賞と東武不動産賞を受賞

高1でアントレプレナーシップの基礎を学ぶと同時に、ベトナムを訪ねて現地の人と交流しながら、社会課題解決の方法を提案する。高2では自分の興味や強みと社会課題を結び付け、解決のためのプロトタイプを作成。作成したプロトタイプをアメリカに持ち込み、現地の投資家や起業家にプレゼンテーションを行う。

「アメリカの本物の投資家に英語で投資を呼びかけるのですから、英語力はもちろん、プレゼン能力も相当なものが求められます」(福本さん)

生徒の中には在学中に起業を果たすつわものもいる。小中学生が金融について学べるボードゲームを製品化して販売。この実績を武器に、総合型選抜で慶應義塾大学に入学したというから、その力は本物だ。

科学分野でも「イシガイ目二枚貝の保全」の研究でJSEC2024朝日新聞社賞を、「ポンポン船の推進力はパイプ形状によって変わるのか?」の研究でサイエンスキャッスル2024を受賞するなど、たくさんの生徒が優秀な成果を残している。

グローバルコースのボストン研修に参加した高1生たち
グローバルコースのボストン研修に参加した高1生たち

ドルトン東京学園【東京都・調布市/共学】

毎日が文化祭の前日みたいな雰囲気

「いつ行っても、文化祭の前日みたいな雰囲気です。生徒たちは個人、または少人数のグループで、それぞれ興味のあることに一生懸命取り組んでいます。それが実に楽しそう」(後藤さん)

開校7年目の新しい学校である同校は、米国の教育家ヘレン・パーカストが100年ほど前、詰め込み教育への問題意識から提唱した「ドルトンプラン」という教育メソッドで運営されている。

珈琲ラボ
「珈琲ラボ」では、コーヒーの栽培や焙煎の方法から、労働問題や環境問題まで深めていく

「主体的に学び、探究・挑戦を続ける人材を育成するという、学習者中心のメソッドです。狙いどおりに、生徒たちは何を学ぶべきか、何のために勉強すべきかをわかっている。能動的に学ぶ姿勢が、文化祭での取り組みに似ているのかもしれません」(後藤さん)

自分の学びを広げ、深めるための「ラボラトリー」という時間が、探究型学習の中核になっている。

「学年ごとのテーマに取り組む“基礎ラボ”、個人の興味・関心を深める“探究ラボ”があり、探究ラボはさらに、『珈琲ラボ』や『水中ロボット制作ラボ』などテーマを選べるものと自分でテーマを決められるものに分かれています。生徒たちは毎時間、わくわくしそうです」(後藤さん)

年間のエネルギー消費量収支ゼロを目指した校舎「STEAM棟」での学びも自慢だ。

それぞれの課題に取り組む
STEAM棟でそれぞれの課題に取り組む。この姿が文化祭っぽい