大人の先回りは絶対NG

「子どもの話をしっかり聴いてみよう」とアドバイスされて、「そんな必要はない」と反発される保護者の方はまずいないと思います。ただ、「そうですよね」と納得する一方で、日常の慌ただしさから「いつもいつもしっかり聴いていられない」というもどかしさを抱えている方は少なくありません。

実際に保護者の方から、ついついこんな声かけをして、子どもから「うるさいな」という顔をされ、親子げんかに発展してしまうという話もよく聞きます。

「宿題やりなさい」
「早く片付けなさい」
「もう寝る時間でしょう」

平日の夜、明日の学校の準備は終わったのかな? と、そんなふうに子どものことを思って私たち大人は先回りして行動を促してしまいがちです。でも、こう言われた後、子どもの心の中ではきっとこんな思いが巡っていることでしょう。

「今、やろうと思っていたのに……」
「もう少しで終わるところだったのに……」
「時間くらい自分でわかってるのに……」
リビングルームで母親に怒られる子ども
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

「どうしたいか」を決めてもらう

もうちょっと待っていたら、子どもが自ら動いていたかもしれないのに、大人の先回りした声かけでやる気を奪ってしまっている……。とはいえ、宿題はしてほしいし、片付けは終わらせてほしいし、早く寝てもらいたい。どんな声かけをすれば、子どもの話を聴きながら、本人たちの主体性を損なわず、やる気を出してもらえるのでしょうか。

島根太郎『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社)
島根太郎『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社)

私たちの学童保育(キッズベースキャンプ)では、「この後どうする?」と問いかけを大事にしています。宿題、歯磨き、片付けなど……。こうした日常の行動について、子ども自身に考えさせてみるのです。

実はこれ、親子関係に限らず、職場の上司部下、先輩後輩のコミュニケーションにも応用できる内容です。

子どもたちも一日の流れはわかっています。やらなきゃいけない宿題はあるし、明日の学校の準備をするべきだし、寝る前に部屋を片付けたほうがいいし、歯も磨かなくちゃいけない。でも、今見ているテレビの続きが気になるし、先にゲームで遊びたいし、やるべきことをやる、やる気はあるけど、まだ今じゃない。そんな子どもたちのやる気スイッチを入れるには、やっぱり自分で決めてもらうのが一番です。