なかなか挽回できない「負のループ」

そこでついその場しのぎの暗記学習に走ってしまいがちだが、この暗記学習こそが成績不振の一番の要因なのだ。4年生のうちはなんとか暗記学習だけで乗り越えられた子も、5年生のGWあたりになると、とうとう力尽き、失速し始める。この負のループに陥ってしまうと、なかなか挽回ができない。

このように、間違った勉強のやり方をし続けて、成績不振から心身に大きなダメージを受け、新五月病になる子は少なくない。親から見ると、単にやる気がないように見えるため、「さらに発破をかけなくては」と、大量学習に走りやすい。しかし、このままでは成績が伸びないだけでなく、子どもを潰してしまいかねない。

勉強をする子供の手元
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これまでの勉強のやり方を見直す絶好のチャンス

新五月病に対する処方箋は、これまでの勉強のやり方を見直すことだ。塾を中心とした中学受験の勉強は、毎回の授業で新しいことを次々と学ぶため、公式やテクニックの暗記学習に陥りやすい。しかし、そのやり方が通用するのは、せいぜい4年生までだ。5年生になると、いよいよ量が追いつかなくなり、いずれ失速することになる。そうならないためには、4年生のうちから、自ら「納得してから覚える」学習を心がけることだ。

「納得してから覚える」という状態はどういうことかというと、自分の言葉で人に説明できる状態をいう。そのためには、塾の授業が終わった後の振り返りが重要になる。この「振り返り」を宿題と思い込んでいる人がいるが、そうではない。まずは、家庭の会話の中で「今日はどんなことを習ったの?」「それってどうやって解くの?」「何でその公式を使うの?」と親が興味を持って聞いてみることだ。そして、子どもに説明をしてもらう。そうすることで、その日の授業の内容を振り返ることができる。

このワンステップを経てから宿題に取り組み、知識を定着させるというのが、正しい勉強のやり方だ。それをやらずに、出された宿題を終わらせることだけに気が向いてしまうと、納得の理解がないまま、ただ公式に当てはめるだけの表面的な勉強になってしまう。