10歳までに決まるライフスタイル
性格は自分で決めたとか選んだなどと言われても、そんな覚えはないと言いたくなるかもしれません。しかし、自分で決めたのであれば、大人になってからでも変えることができます。もしも性格が先天的で変えられないものであれば、教育も矯正もできないことになります。
ただし、たった一度の経験がきっかけで、あるとき、突然ライフスタイルを決めるわけではありません。幼い子どもは何度も選び直すのですが、十歳頃になると、「このライフスタイルで生きていこう」と決め、その後は大きく変えることはありません。
このライフスタイルは自分で選んだとはいえ、何もないところで自由に決めたわけではありません。ライフスタイルを決めるときに影響を与える要因があります。親の価値観や、子どもが生まれ育った文化からの影響もありますが、もっと大きな影響を与えるのが、きょうだい関係です。どんなきょうだい順位に、つまり、第一子、第二子、中間子、末子、また単独子として生まれ育ったかは、ライフスタイルの形成に大きな影響を与えます。
弟や妹の誕生で「王座から転落」する長子
特別であろうとすることも、大人になってからというよりも、子どもの頃から始まるのですが、このように思うきっかけになるのが、「王座からの転落」(dethronement)です。
第一子は弟や妹が生まれる前は、親の注目、関心、愛情を独占することができました。ところが、弟や妹が生まれると、親は前と同じように子どもに接したいと思っても、新たに生まれてきた子どもに時間やエネルギーを割かなければなりません。親が子どもを特別甘やかして育てたというわけでなくても、初めての子どもを必要以上の注目をして育てた場合は、親の態度の変化は第一子には受け入れがたいものになります。
親は第一子の兄や姉に対して、状況が変わったことを理解するよう求めます。しかし、自分が置かれることになった新しい状況を理解できないと、それまで自分が独占していた親の注目、関心、愛情が後から生まれてきた弟や妹に奪われたと感じてしまいます。これが「王座からの転落」です。第一子にとって、弟や妹はライバルになるのです。第二子も、後から弟や妹が生まれると、第一子と同じ経験をすることがあります。

