YouTubeの“使い方”が違った

私が注目したポイントは、Eさんはわからなければ途中で止めたり、繰り返し見たりしていたという能動的な姿勢だったことです。流し見しているだけでは、ただの受け身になってしまいます。そうではなく、自分の知りたい、知識を深めたい場所を何度も見返すことで理解を深めていたという姿勢が良かったのだと思います。また、質問が苦手な子だったからこそ、スマホ相手であれば気負いせず、どんどん動画を探して、理解を深めていったという点も大変良かったのではないかと思います。

その後、Eさんは他の教科でもこの方法を実践したことで成績が向上し、大学受験では第一志望の学校へ合格することができたそうです。

iPhoneでユーチューブを再生中
写真=iStock.com/5./15 WEST
※写真はイメージです

私立中学に通うFくん

Fくんは私立中学に通うために、毎日、片道1時間、電車通学をしていました。往復では2時間です。1週間にすると10時間、1カ月だと40時間にもなります。中学3年になったFくんは、往復の時間を活用して「英検2級を取得する」という具体的な目標を決めました。英語力の向上も目的ですが、英検資格はその後の高校・大学受験において有利になることもあるからです。Fくんは長い通学時間に、無料の学習アプリで英検の勉強を進めることにしたそうです。

親が“後押ししてあげる”ことも効果的

そのとき本人に話を聞いて感じたのは、やはり彼も能動的だったということです。まず、アプリを勉強に活用してやるぞ、という姿勢が何よりも評価できます。Eくんは自分に最も合っているアプリを見つけるために、複数のアプリを試行錯誤しながら探したそうです。また、「何分やったか? どれぐらい進んだか」という学習の進捗状況が明確に表示されるので、やる気につながった、クイズ機能もあって飽きがこないとも話していました。

Eくんはその後、英検2級を取得しました。スマホを有効に活用するには、自分に向いているコンテンツを探し出し、それを自分の学力向上に役立たせようと模索する姿勢が何よりも求められるのだと気付かされた事例でした。また、次は準1級にチャレンジ中とのこと。将来の大学受験でも相当なアドバンテージとなることでしょう。

この2人に共通しているのは「親がスマホを使った学習に賛成している」点でした。教科書やテキストを読んだり、問題集を解いたりするのが本当の勉強だという思い込みは捨てる必要があります。かつて「スマホで楽しそうに勉強しているのですが、本当に学力がついているのか不安です」と相談を受けたことがありますが、楽しそうかつ継続的に勉強し、成績が上がっているのなら言うことなしです。

むしろ「今はこんなアプリがあるのね。お母さんの時にもあったら良かったのに」「やっぱり、理科は動画で見ると分かりやすいなあ」などと共感し、後押ししてあげるような一言をかけてあげると、勉強の励みにも繋がることでしょう。