「時制」でつまずきがちな3つのポイント

時制を理解するポイントは、その出来事が「いつ起きたか」を理解することです。X(旧ツイッター)に投稿したスライドを元に作成した図表1では、黒色の人型のピクトの位置が「いつ起きた」かを、走っている姿が進行形を、灰色の人型と赤い矢印が完了形を示しています。特に日本語にはない現在完了形など、きちんと理解していない人も少なくないでしょう。

ここでは、英語の時制でありがちな「3つの誤解」について説明したいと思います。

ポイント①「現在形」は現在のことだけを表現するわけではない

時制で意外と勘違いされがちなのが、「現在形」です。現在のことを説明するのが現在形だと思われがちですが、現在形が表すのは「いまこの瞬間」だけではありません。過去から未来まで、習慣的にやっていることも「現在形」で表現します。

例えば I study English. の和訳は「私は英語を勉強する」ですが、いまこの瞬間に勉強していなくても、学校で英語を学んでいたり、英会話スクールに通っていたりと、「私は日常的に英語を勉強している」という現状が現在形で表現できます。図では「いつもやっている」と訳しました。

では、実際に「いまこの瞬間に勉強しているところだ」という表現をしたい場合はどうでしょう。こういうときには「現在進行形」を使うのです。 I am studying English. は「私は英語を勉強しているところです」という和訳になります。図では「いまやっている」と訳し、走っているピクトで表現しています。

同様に現在形で、 I work at a hospital. と言えば「私は(普段)病院に勤務している」となりますし、現在進行形で、 I am working at a hospital. と言えば「私は(いま)病院で仕事中です」となるわけです。

英語のテスト
写真=iStock.com/Lamaip
※写真はイメージです

ポイント②「過去形」と「完了形」の違い

もう1つ、間違えやすいのが「過去形」と「完了形」でしょう。

まずは図の過去形と現在完了形のピクトグラムをよく見比べてみてください。基準となる時点は黒色の人型ピクトで、動作が始まった時点および継続している期間を灰色のピクトで表しています。

過去形を見ると、黒のピクトが「過去」に立っているのに対し、現在完了形は「現在」に立っています。そして、過去に立っている灰色のピクトから矢印が引かれています。

つまり、過去形は過去の一点だけを示し、現在完了形は過去から現在まで継続している動作や出来事を“現在の視点”で話しているのです。

ちなみに、完了形には以下の3つの用法があります。一覧表に記載した和訳「やったことがある」は経験用法です。

・経験用法:ある行為や出来事が過去に一度でも起こったことがあることを表す。
【例】I have visited Paris.(パリに行ったことがある)

・継続用法:過去から現在までのある期間ずっと続いている状態を表す。
【例】I have lived here for ten years.(10年間ここに住んでいる)

・結果用法:過去に起こった出来事や行為が現在に影響を及ぼしていることを表す。
【例】I have lost my keys.(鍵をなくしたので、今も見つかっていない)