野球部やサッカー部、吹奏楽部から決まっていく

実は部活の顧問の決まり方については、優先順位のようなものがあります。

まず強い部活、たとえば毎年県大会に行っているような部があったとしたら、優先的に、一番専門性がある、指導に適した先生が顧問を務めます。

また、野球部やサッカー部は保護者や地域の声が大きかったり、そもそも専門的な知識や技術も必要だったりするため(ノックができないのでは話になりません)、優先順位が高くなります。

その次が吹奏楽部でしょう。吹奏楽は顧問が指導するだけでなく、プレイヤー=指揮者として舞台に立たなければならないため、音楽の先生などが優先的に割り当てられます。未経験の家庭科の先生にいきなり任せるようなことはできないでしょう。

この辺りまでは明文化はされていませんが、人事異動の段階から配慮されている、と多くの教師が感じています。

そして、残りの部活の担当は、どうやって決めるか?

それは非常に言いにくいのですが、ほぼ消去法です。できそうな人にやってもらうしかないのが実情なのです。

「あの人若いからバスケ部イケるでしょ」
「あの人テニス部の希望出してるけど、テニス部はもう埋まってるから卓球部やってもらおう」

というように。

教員が自分の希望を貫き通せることはほぼありません。教員数に対して部活の数が多すぎるからです。

サックスプレーヤー
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未経験の部を担当させられると地獄

実は私は、大学を卒業して最初の年に、野球部を受け持たされたことがあります。

それはもう本当に大変な毎日でした。野球は小学校の時にちょっとやっただけで、本当に知識も何もなかったからです。

ノックをやれば手は豆だらけ。最後には手の皮が全部剥けてしまいます。新卒でお金がない中、バットやグローブ、アンダーシャツなどは全部自腹です。

別に自分がやりたいわけでもないことに、自分の時間とお金をかけなければならないのは、正直言ってけっこうツラいです。朝練はもちろん、土日も全部費やしました。

ずっと部活ばかりやっていた感覚です。

ところが保護者はそんなこと知ったこっちゃありません。試合中には「おい、なんで今のところバントなんだよ⁉」などとヤジが飛んできます。

采配ミスをして保護者から怒鳴りつけられ、泣きそうになりながらも、生徒の前では監督として堂々と振る舞わなければなりません。保護者どころか、生徒よりも野球を知らないのに。あなただったら耐えられるでしょうか?

私が野球部を任されたのはけっこう特殊なケースだったと思いますが、最悪の場合こんな状況になるのです。未経験で、やりたくもない部の顧問をさせられている先生はたくさんいます。