データは当然の帰結である
そのような自己愛過剰は日本では多くない。
日本の場合は、同じく自分のことばかり気になる病的に自己愛が過剰なタイプといっても、傲慢で自分を強く押し出すような誇大的で無神経なタイプではなく、引っ込み思案で神経過敏なタイプが多くなる。
日本人に多い引っ込み思案で神経過敏なタイプの自己愛過剰には、人からどう思われるかばかりを気にし、人の顔色を窺うあまり自己主張ができず、人から拒否されたり批判されたりすることを極度に恐れるため率直に自分を出せないタイプが多い。
人から賞賛されたい気持ちは強いのに、それを表に出せずにうじうじしがちで、自分を抑えすぎる者も少なくない。
こうした文化的背景に目を向ければ、「自分に満足している」という若者の比率が、なぜ欧米では8割を超え、日本では4割強にしかならないのかがわかるだろう。比率に大きな差があることは、べつに深刻な問題なのではなく、ごく当然のことなのだ。
欧米人は自信たっぷりに振る舞わないといけないから、「今の自分に満足している」とほとんどの若者が答える。日本では謙虚に振る舞わないといけないから、「今の自分に満足している」と答える若者が半分もいない。
それぞれの回答傾向は、属する文化に適応的な心のあらわれとみなすべきだろう。


