その後のプレーが明らかに良くなった

これは完全に、普段の私が口にするような言葉。その日は子どもたちに試合を任せるというテーマのもと、私はベンチに入らなかったのですが、その子は「おそらく監督だったらこう考えるだろうな」と私になり切って自分で判断したのです。私は思わず「すごいなぁ」と呟いてしまいました。

辻正人『任せることで子どもは伸びる スポーツで「自分で考える子」に育つ9の導き方』(ポプラ社)
辻正人『任せることで子どもは伸びる スポーツで「自分で考える子」に育つ9の導き方』(ポプラ社)

試合後、私は個別にその子のところへ行って、一連の行動を褒めました。

続いて2試合目。その彼は投手を務めたのですが、初めて見るような良い表情で思い切り投げていました。

実は普段、上手くいかないと拗ねたりして、チームの雰囲気に悪影響を及ぼすような態度を取ることもある子だったのです。しかし、その試合では自分が「ストライクだ」と思ったものをボール球と判定されても、まったく気持ちを切らさずに集中。確実に心が充実していました。

子どもを褒めるということは、「ちゃんと自分を見てくれている」と感じさせてあげることです。

一対一で褒められると「自分にだけ褒めてくれた」「ちゃんと見てくれているんだ」という嬉しさも感じるようになります。みんなの前で褒められるのも嬉しいとは思いますが、それ以上に効果があるのだと実感しました。