「みんなの前」で褒めることの注意点とは

また、子どもたちを集めてミーティングをするときにはよく「こういうときはどうする?」と質問をするようにしています。パッと答えが出たりすると「そう、その通りや!」「今誰か言うたな? 誰や? ○○かぁ、すごいやん」としっかりと伝えます。

そうやって褒めることでモチベーションを上げているので、子どもたちは私の話に対して聞き耳を立て、わりと積極的に言葉を返してくれます。

ただし、実はこのやり方だけを続けていても歪みが生まれます。

というのも、みんなの前で褒められるというのはすごく気持ちが良いもので、それに慣れてくると、子どもたちも賢いのでだんだんこちらの意図を汲んで、答えを寄せるようになってくるのです。

「理解できているから答える」というわけではなく、目的が「褒められたいから答える」に変わってきてしまいます。一方で「答えは分かっているけど、わざわざ言わなくてもいいや。別に褒められたいわけじゃないし」と、その場ではスッと引いていく子も出てきます。

私はいつも純粋な気持ちで褒めているのですが、子どもたちにとっては、褒められたい人のアピールの場になってしまうこともあるわけです。

「こっそり褒める」という新手法

したがって今は、みんなの前ではあえて何も言わずにあとで本人にだけこっそり褒める、という方法も使っています。

最近のことですが、ある練習試合で大きな成長を見せた子がいました。

私たちが攻撃をしているとき、打席に入った投手の子が死球を受けてしまい、チェンジになっても脇腹を押さえていました。そしてマウンドへ向かいながらも、少し渋る様子を見せていたのですが、するとその姿を見て、サードを守っていた子が言いました。

「とりあえず俺がキャッチャー行くから、○○(捕手の子)はピッチャー行って。△△(投手の子)はサードについて、痛くなくなってまたピッチャーができるようになったら言ってきてな」

そうやってパパパッと判断して指示を出し、審判にメンバー交代を告げに行ったのです。