この10年で公立・私立ともに小学校の学習費が上昇
図表2は小中高、それぞれ公立、私立で1年間にかかる学習費の総額。こちらもこの10年間で上がってきている(小学校公立33.6万円、同私立182.8万円、中学校公立54.2万円、同私立156.0万円、大学校個公立59.8万円、同私立103.0万円)。GIGAスクール構想を背景に国の交付金を活用して支給されていたタブレット端末の購入費を、高校では保護者負担に切り替える自治体も増加しているため、今後、学校教育費も増えていく可能性がある。
「ここ数年の総額の推移を見ると、公立家庭と私立家庭との差が開いてきていることがわかります。特に塾や習い事などの学校外活動費は、14年度の数字では、私立は公立の2.8倍ほどでしたが、今回の調査では約3.3倍になっています」
図表3が小学校の学校外活動費の詳細だ。公立と私立で比べると、芸術文化活動費や国際交流体験活動費といった体験活動などにかける金額に差があるようだ。西山さんの肌感覚は、塾にお金をかける家がさらに費用を増やすようになっているそうだ。
「少子化の影響で、塾が生徒を早めに抱え込む戦略をとっています。また生徒に多くのコマ数をとるように促したり、季節講習や特別講習を勧めたりする傾向も以前より多く見られます。1人当たりの学習費を上げる、という傾向でしょうか」
義務教育から外れる高校は、公立でも学校教育費は35.1万円、私立なら76.6万円かかっている。だが、西山さんは、高校の学校教育費は減っていくと予想する。
「東京都では、24年度から、高校の授業料の実質無償化(年額48万4000円上限)が始まりました。年額10万円が助成される私立中の授業料軽減助成制度もスタートしています。どちらも所得制限なしなので、親同士は学費の話がしやすくなりました。ただ東京都以外から通う子は受けられないので、そこは配慮が必要ですね。大阪府でも24年度から段階的に所得制限なしの無償化が始まっています」
※2月下旬に与党と日本維新の会が「高校授業料無償化」で政策合意
余裕のある自治体とそうでない自治体との差が開く現状のなか、国としても高校の授業料無償化に向けて動き出している。大いに期待したい。
大学の費用については、東京都立大学、大阪公立大学、兵庫県立大学および芸術文化観光専門職大学など、授業料を無償化する公立大学も出てきた。地元の公立大に入り、自宅から通えば、全体の教育費はかなり抑えられそうだ。



