暴力だけではない、さまざまなDV
DVというと、殴る、蹴るなどの暴力を思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。言葉による暴力はもちろん、相手の大事なものを壊したり、日常的に軽視をしたりすることもDVの一種です。また、「子どもを使った暴力」もあります。「ちょっとママを叩いてきなさい」などと言って、子どもに暴力を振るわせる行為です。
親からきょうだいへの暴言や暴力も同じように大きなストレスとなります。たとえば、「お兄ちゃんがお父さんに殴られている」「お姉ちゃんがお母さんに『おまえなんて産まなければよかった』と言われているのを見た」といった状況です。また、親から祖父母に対して、あるいは祖父母から親に対してもそうです。親が同居しているおばあちゃんに「早くくたばればいいのに」と暴言を吐くなどもそれに該当します。
きょうだい間の差別もマルトリに
きょうだい間で極端な差別をすることも心理的マルトリにあたります。長男や長女を優遇したり、末っ子だけを特別にかわいがったりと、生まれた順番や性別によって差別をしたり、親との相性で差別をしたりするケースは少なくありません。親も人間ですから、つい、扱いやすい子ばかりに目をかけたり、性格的にぶつかりやすい子には冷たくしてしまったりすることもあるでしょう。子どもに対して完璧に平等に接しなさいなどと言うことはできません。ただ、過度な差別は子どものこころと脳を傷つけるということを意識しておく必要があります。
もう一つ、心理的マルトリとしてありがちなのは、子どもが大事にしているものを壊したり、取り上げたりする行為です。たとえば、子どもの目の前でゲーム機を壊す親御さんに何度も遭遇したことがあります。親御さんは子どもを傷つけようと思ってやっているわけではなく、しつけの一環として行っているという気持ちがあるのだと思います。ただ、そうした良くない行動があったとき、いきなり有無を言わさず物を破壊するのはやりすぎではないでしょうか。
あらかじめ親子でゲームに関するルールを決め、そのルールを破ったときに一時的にゲームを取り上げるといった対応であれば問題ありません。しかし、ルールも何もない状態で、罰として一方的に子どもの大切なものを取り上げるのは避けたほうがいいでしょう。
□子どもの苦手なことが気になり「何をやってもダメ」と言ってしまう
□感情的になり、大声で怒鳴る
□子どもの前で激しい夫婦喧嘩をする
□子どもに対して、夫(妻)への文句を話したり、言わせたりする
□きょうだい間で差別をする
□子どもをきょうだいと比較して批判・叱責する
□子どもに、きょうだいや祖父母などに対する暴言を聞かせる


