子供を励ますつもりで、だますのはダメ

教室で運動をするときも同じです。いままでやったことがないものにトライするのは、誰だって怖いものです。たとえばマット運動なら、どういう工程があるか、細かく細かく分けてスモールステップで行います。

行ったことのないお店に絶対に行かない子どもがいました。その際も、お母さんはどんな場所にあって、家からどのくらいの距離で、交通手段や、どんなものが売られていてどのくらい混んでいるかを細かく伝えるようにしていたそうです。

学校に入学するときや、急に予定が変わってしまったときも同様に、子どもが不安にならないように、どんな場所でどういう人がいて、どんな状況なのか、見通しが立つように教えてあげてください。それでも嫌がる子どももいますが、親御さんが伝えたことと実際に行った場所の説明が噛み合っていれば、少なくとも、説明してくれる人(ここでは親)との信頼関係は築けるので、次の安心材料になります。

よく、子どもをだますような形で「大丈夫。あそこにはゲームがあって楽しいよ」などと親が励まして子どもを行かせがちですが、行ってみたら「思っていたところと違っていた!」では、子どもはもう、その場所にも行きたがらないし、親を信頼できなくなってしまいます。家庭では、親子でたくさんコミュニケーションやスキンシップをして、子どもを安心させてあげることが大切です。

「いやだ」「やらない」は“あまのじゃく”ではない

子どもは心から安心できると、外に出て行きます。よく、母子分離ができなくて登園・登校が困難な子がいますが、あえて母子分離中のトレーニングだと言って距離をとるのは逆効果で、いかに家庭で安心させてあげられるか、なのです。

LUMOでも、最初はお母さん、お父さんと離れて教室に来るのに不安が強かった子どもが、指導員との信頼関係を築き、安心できる環境の中で楽しく過ごしているうちに、帰りにはニコニコと笑顔になっています(笑)。週1回からのスタートでも、だいたい1カ月あれば、母子分離はできます。

恐怖を感じると体が緊張してぐっと力が入ったり、丸めたりすることがあるため、体が硬くなっている子もいます。お母さん、お父さんと一緒に安心できる環境の中で体を思いきり広げられるトレーニングをするといいでしょう。反抗的だったり、あまのじゃくだったりする子どもも、モロー反射が残っているケースがよくあります。

「いやだ、嫌い、やらない」が口癖のEくんという5歳の男の子がいました。教室でもそうやって何も挑戦しようとしません。それをお母さんはあまのじゃくだと思っていました。そこで指導員は、「Eくん、もったいないなあ。やってみないとわからないのに。うまくいくチャンスだよ」と。指導員が言葉かけでEくんを安心させようとしていることを知ったお母さんは、ハッとしました。家庭では、否定的な言葉をよく使っていたかもしれない……。そこから、お父さんとも話し、家族が団結して言葉かけを変えました。