入学しやすい学部・学科

そんなベテラン受験生・えぐざま氏の趣味は、大学受験に関する情報をリサーチすること。大手教育関連企業で働く彼にとっては、趣味と実益を兼ねているともいえる。

「たとえば入試シーズンが近づくと、志願者速報が出されます。それを丹念に読み込むと、“入学しやすい学部・学科”が理解できるようになります。私くらいになると、その部分が浮いて見えるようになります。

具体的に言うと、たとえば1月20日時点での志願者数を去年の受験者数で割り、大学全体で平均70%くらいのときに、50%くらいの受験生しか集まっていないような学部・学科は、狙い目です。

それらのなかに意外なブランド大学が含まれていることもあるので、受験してみてもいいかもしれません。2月後半~3月の私大後期入試は、さらに前年度からの変動が激しく、驚くような穴場を見かけますよ」

とはいえ、将来志望している職業がある場合には、穴場だという理由だけで受験することに抵抗も多いはずだ。

「もちろん、進学しても自分の将来に無意味であると言い切れる大学まで受験する必要はありません。しかし多くの人は、高校生のときの知見で大学や学部を選ぶしかありません。一部の専門職を育てる大学以外では特にそうですが、そのときにやりたいと思っていることが変わる可能性はあります。

【図表】えぐざまの28年間の合否一覧
図表=プレジデントオンライン編集部作成

文系なら日大、理系なら都市大

もしも変わらなかったとしても、学部で学ぶことと関係のない仕事に就くことはままあります。そうであるならば、『とりあえず入りやすい学部に進学』という選択肢はありではないかと私は思いますね」

それでは“とりあえず”で検討し得る高コスパ大学とは、どのようなところだろうか。

「もしも名門校にこだわるのであれば、遠隔地にある学部がおすすめですね。私が皆さんにおすすめしているのが、日本大学国際関係学部です。この学部は静岡県三島市にあり、毎年倍率が1.0倍程度です。少ない労力で日東駒専卒の肩書が得られるため、コスパが高いといえます。

それから、東京都市大学。四工大のくくりに入り、理系イメージが強いですが、文理融合学部もあります。英検利用入試では準2級から使えますし、英検を使えば現代文1科目入試で入れる学部もあります。キャンパスも世田谷や横浜にあり、もともと理系の大学でさらには東急系列の大学ですから就職は抜群。文系こそ検討すべき大学の一つです」

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