地盤調査は一般的に地図などを活用した資料調査、現地に足を運んで地形や建築物などを観察する現況調査、そして機械を使う試験調査がある。

資料調査は自分たちでも行うことができる。わが家がどのような地盤に建つのか、家づくりの意識を高める上でも、調べてみることをおすすめする。

代表的な地図は、国土地理院が都市部などを中心に作成している2万5000分の1の「土地条件図」である(ホームページでも確認可能)。赤色が台地、黄色が低地などに色分けされており、盛土地、埋立地、干拓地などの人工地盤の土地や、旧河道のような昔、川だった土地などもわかる。

大規模な造成地では、事業者が造成計画図を作成する。この図からは、盛土部分と切土部分を知ることができる。切土は比較的地盤が固く、盛土部分は人工的に土を盛っているため、地盤の固さにばらつきがある。地盤を締め固める地盤改良工事が行われているかどうか、確認する必要がある。

大手ハウスメーカーであれば、あまり心配ないが、大規模な住宅造成地では、宅地を造成した事業者とは別にハウスメーカーが一部を担っている場合があり、まれに全体を把握していないこともあるので注意したい。

誤解しないでほしいのは、軟弱な地盤だからダメというわけではないということ。地盤改良の技術は進化を遂げており、大切なのは、住宅地としてふさわしい地盤改良がなされているかをチェックすることだ。

住宅・地盤に関する保証・保険制度も、建物・基礎の瑕疵(かし)は住宅瑕疵担保責任保険や供託などでカバーすることが義務づけられている。地盤の瑕疵については任意だが、地盤基礎会社などによる地盤保証に加入する分譲会社も増えている。これらを活用すれば、より安全で安心な住まいを実現できる。

完成までに4度のチェック
「住宅性能表示制度」を活用

次にすすめたいのは、「住宅性能表示制度」の活用である。これは品確法の制定に基づいて普及した制度で、第三者機関である一般社団法人住宅性能評価・表示協会が推進している。

同制度は発足時に話題となったが、今は普及率が2割程度(2013年4月現在)にとどまっている。これはとてももったいないことだ。なぜなら、この制度にはさまざまなメリットがあるからだ。

第1のメリットは、下図のような10分野の物差しで住宅の性能がわかる点だ。それぞれに等級等が定められ、住宅性能を客観的に測ることができる。