「論破」は人間関係を破壊する

「論破」の破壊力は、それ以上です。

相手に指を差して話す人
写真=iStock.com/Atstock Productions
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林健太郎『「ごめんなさい」の練習』(PHP研究所)
林健太郎『「ごめんなさい」の練習』(PHP研究所)

10回、いや5回で壺の寿命がくるかもしれません。論破というのは、自分とは異なる意見を持つ相手を「おまえは間違っている!」と一方的にねじふせる、きわめて強引な方法です。

論破された相手は、一見納得した顔をしているように見えても、内心は「この人には近づきたくない」「もう関わりたくない」と思っているはず。

「ごめんなさい」が必要な場面というのは、「この人との関係を、これからも続けていきたいか」を問われている分岐点に立っているともいえます。あなたにとって、目の前の相手は、どれくらい大切な人でしょうか。

林 健太郎(はやし・けんたろう)
否定しない専門家/コーチ

2 万人以上を指導したコーチ。リーダー育成家。ナンバーツーエグゼクティブ・コーチ。一般社団法人国際コーチ連盟日本支部(当時)創設者。1973年、東京都生まれ。バンダイ、NTTコミュニケーションズなどに勤務後、エグゼクティブ・コーチングの草分け的存在であるアンソニー・クルカス氏との出会いを契機に、プロコーチを目指して海外修行に出る。帰国後、2010年にコーチとして独立。これまでに大手企業などで2万人以上のリーダーに指導してきた。否定しないコミュニケーション術をまとめた『否定しない習慣』(フォレスト出版)が14万部を超えるベストセラーになる。このほか『できる上司は会話が9割』『優れたリーダーは、なぜ「傾聴力」を磨くのか?』『できるリーダーになれる人は、どっち?』(いずれも三笠書房)、『いまを抜け出す「すごい問いかけ」』(青春出版社)など著書多数。