不動産投資信託を持つメリット

ちなみに私は、不動産ではなく、「REIT(リート)」と呼ばれる不動産投資信託にも注目しています。

不動産投資信託とは、投資家から集めたお金で不動産を所有し、そこから得られた賃料収入を分配するもの。ホテルリートや物流リート、オフィスリートなど、いろいろな商品があり、小口で投資できるのがメリットです。

木のテーブルの上のコインの山の上にミニ青い家
写真=iStock.com/watthanakul
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現物の不動産投資は、借金して投資できるメリットがある一方、頭金を用意するのが大変だったり、手数料が非常に高くそれで損することもあるなどのデメリットもあります。そう考えると、不動産投資に興味があっても、そこまではしたくないという人は多い。私もその一人です。そんな人にリートはおススメといえるでしょう。

今は金利が上がったことでマイナスになっていますが、もともと不動産投資は、戦争や金融ショックで多少は変動しても、賃料自体は景気に左右されにくいもの。過去のデータからは、「平均的には長期でインカムゲインでしっかりとリターンが出やすい」ことも実証されています。ですから配当金狙いでリートを持つというのは悪くないと思います。

もちろん注意点もあります。歴史のあるリートは、想定外に修繕費用などのコストが出ることで、配当金が減る可能性もあります。リートの構成や中身を、しっかり確認してください。

「仕組債」は様子見で検討を

注意すべきは「仕組債」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)を利用することでキャッシュフローを生み出す債券です。

証券会社や銀行がすすめる仕組債については、手数料や格付けなど、商品の中身が金額に見合っているかどうか、いったん立ち止まって確認してほしいですね。「利回りがよい=リスクが高い」ので、飛びつくのは危険。いったん様子を見ましょう。

同じように株価は安いのに、配当利回りがいい銘柄も、様子見が必要です。

安いには、ちゃんとワケがある。業績が悪くて、会社の持続可能性が失われているのかもしれませんし、機関投資家が手放しているだけかもしれません。