安い郊外のマンションを買うと後悔する
⑨郊外と地方はどうなるのか
マンション1億円時代に安い郊外のマンションを買うと、人口減少のなか、何度も「もう少し待って買えばよかった」という値下がり局面が続く確率が高い。
新築マンションは、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県)で駅徒歩5分以内が4割弱を占めるまでになり、郊外では徒歩5分以内の物件でないと資産性を保つのは厳しい。
以上9つのポイントについては、改めて本書で詳しく解説する。
序章と第1章では、東京23区のマンション事情と平均1億円を超えた裏事情を、第2章では、これからの狙い目のエリアや、おすすめしないエリアを紹介する。
第3章では、これからのマンションの新しい買い方「サンドイッチ売買」について詳しく触れ、第4章では、不動産市場をマクロ視点でとらえるための新旧バブルの理由や日銀と金利の関係などについて解説する。
第5章から第7章では、米国、韓国、中国の最新不動産事情を紹介したい。
第8章では、空き家が増えていく日本での不動産戦略と、狙い目である中核市候補と予備軍の都市などについても紹介しよう。
第9章では、晴海フラッグなど、自治体と大手デベロッパーによる公有地の再開発について、第10章では、大手デベロッパーによる都心開発のカラクリを解説する。
最後に、第1章から第10章までを「これから家を買うサラリーマンのための資産防衛術8カ条」としてまとめ、住宅購入を検討している人へのわかりやすいアドバイスとした。
本書がこれから住宅購入や売却、あるいは自宅不動産を通して資産を増やしたいという人たちの参考になれば、幸いである。
1986年朝日新聞社入社、大阪経済部、東京経済部、『ヘラルド朝日』、『朝日ウイークリー』、「朝日新聞オピニオン」、『AERA』編集部、不動産業務室などに在籍。2023年朝日新聞社退社。不動産業(ゼネコン、土地、住宅)については旧建設省記者クラブ、国土交通省記者クラブ、朝日新聞不動産業務室などで30年以上の取材・調査経験を誇る。不動産をはじめとする資本市場の分析と世代会計、文化財保護への造詣が深く、執筆した不動産関連の記事・調査レポートは1000本以上に及ぶ。『不動産絶望未来』(東洋経済新報社)、『「老人優先経済」で日本が破綻』(ブックマン社)、『世代間最終戦争』(立木信名義、東洋経済新報社)、『若者を喰い物にし続ける社会』(立木信名義、洋泉社)、『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』(東洋経済新報社)など多くの著書がある。