謝られるより感謝されたほうがうれしい
助けを求めるときに心がけているのは、相手に気持ちよく受けていただけるように、明るくお願いすること。そして、助けていただいたあとに、「ありがとう」「ありがとうございます」と、心を込めて伝えることです。「助けてください」と「助けてくれて、ありがとう」はセットだと思っています。
というのも、以前の私は頼みごとをする際、無意識に「すみません」「ごめんなさい」を多用していたのです。
しかしあるとき、相手の方は謝られるより、感謝を伝えられたほうがうれしいのではないかとふと気づきました。
謝られると、相手も恐縮してしまいます。でも、「とても助かっている」「あなたの存在に支えられている」。そう伝えれば、笑顔の連鎖が生まれ、そこに流れる空気も変わります。以来、日常で「ありがとう」という機会が断然増えました。
ささいなことかもしれませんが、気持ちのよいコミュニケーションのために忘れずにいたい姿勢です。
校長日誌の最後に記す言葉
身近な場面でも、感謝の言葉は遠慮せずしっかり伝えるようにしています。
留学生時代、広東語で「ムコーイ(ありがとう)」と感謝を伝え合う人たちの姿をよくみかけ、いい習慣だと思ったものでした。
またほかの国に行った際も、乗り物に乗り降りするときやレストランでの食事、買い物なども含めて、現地の言葉で「ありがとう」といっている場面をよく目にしました。それもあって、私も見習いたいと思ったのです。
学校のホームページに掲載している校長日誌の最後にも、必ず「感謝と祈りのうちに」と記しています。
もともとは留学中、英文の最後に「with love(愛を込めて)」や「God bless you(神の祝福がありますように)」と書く友人が多く、素敵だなと思ったことがはじまりです。
この2つの言葉に込められた思いを、自分なりに日本語で伝えたいと私は思いましたが、ピンと来る言葉になかなか出会えませんでした。
するとあるとき、友人が「感謝と祈りのうちに」と文末に入れているのを目にしたのです。私が伝えたいのは、まさにこれだと直感しました。以後、メッセージにはすべて、読んでくださる皆さんへの感謝と祈りを込めて、この言葉を添えています。