相次ぐ自民党女性議員のSNS炎上
自民党の女性議員によるSNS投稿の炎上が、立て続けに起こっている。
8月12日には、自身が会長を務める「自民党少子化対策議連」が取り組んだ「ブライダル補助金」の功績を、X(旧ツイッター)で誇った森まさこ議員の投稿が炎上した。結婚式への憧れを促進することで少子化を解決するという言い訳は、さすがにもっと優先されるべき政策はあるだろうという「ツッコミ」を受けた。
さらにこの補助金は、ブライダル業界支援とインバウンド需要創出促進のためであり、少子化対策とは言えないことも判明。森議員が業界大手企業から献金を受けていたことも明らかになり、補助金と献金との関連を疑う献金問題“疑惑”にまで発展している。SNSでは、フランスのエッフェル塔前の記念写真のSNS投稿が炎上した松川るい参議院議員と並び「『エッフェル松川』『ブライダルまさこ』」とやゆされている。
「なんてことをしてくれたんだ」案件
個人的に興味深かったのは、松川議員の炎上だ。
7月下旬に、松川議員が局長を務めていた自民党女性局の議員らがフランス・パリ視察旅行に行った際、同議員らがエッフェル塔の前でポーズをとって撮影した記念写真をXに投稿。「研修旅行と銘打っているが、観光旅行なのではないか。しかも松川議員のお子さんも連れて行っているなんて、遊び気分だといわれても仕方がない」と炎上した。
これを受けて松川議員は8月21日、党執行部に辞表を提出し、22日付けで女性局長を辞任した。
「働く母」からすれば、「なんてことをしてくれたんだ」という案件である。子連れの視察旅行を批判する声に対し、松川議員を擁護する声はほとんど聞かれない。
しかし夏休みという子どもの長期休暇に、たとえパートナーがいたとしても、小学生の子どもを家に置いて長期出張するのは、簡単なことではないだろう。
本来なら、1987年のアグネス・チャンの「子連れ出勤論争」が引き合いに出されてもよかった。当時、第1子を出産したアグネス・チャンが、子どもを連れて番組の収録や講演に来たことに対し「迷惑だ」「プロ意識に欠ける」などの批判が起こり大論争になった。当時に比べると子連れ出勤に対する理解はかなり広がってきたのに、浮かれたエッフェル写真が水を差した。