“ベンチ寝パパ”がいる公園の情景
今から10年前、娘を連れて近所の公園に行くと、ベンチで横になりしっかり睡眠をとっているパパたちをたくさん見ました。
毎週末、遠方からも含め、さまざまな地域から訪れる家族連れであふれるその公園。ベンチで座ったままウトウト……ではなく、頭も足も完全にベンチの上に預けた状態で寝ているパパが1人や2人ではありませんでした。
もしママがそんなふうにベンチでガッツリ横になっていたら、「具合が悪いのかな?」と心配になるし、「大丈夫ですか?」と声をかけてしまう気がします。
しかしパパだと「疲れているのに子どもを公園に連れてきてえらいね、がんばってるね」というお疲れさまオーラが公園内に漂うのです。
小さい子たちを世話する親たちが座れなくても、限られたベンチを最大限に使用して寝ているパパを起こそうとする人は誰もいません。
分かりやすいジェンダーギャップ(男女の違いにより生じる差)だと感じていました。
“放ったらかしにされている子ども”を見守る
そんな“ベンチ寝パパ”がいると、無意識にそのパパの子が公園内のどこにいるのか把握し、安全を確認してしまう。そんな習性を、小さい子を持つ親の多くは持っています。
ベンチであおむけになって目を閉じて寝ているということは、今現在そのパパの子どもはどこかで1人で遊んでいる可能性があります。
公園内の多くのママたち(パパたちもかも)は、自分の子を世話しながら、見知らぬ“ベンチ寝パパ”を視界に入れながら、ベンチ寝パパの近くに来る子を把握し、その子がママやおじいちゃんおばあちゃんなど、別の付き添いの大人といるのか、を確認します。
ベンチ寝パパに放ったらかしにされている子は4~5歳くらいが主でした。
付き添いがおらずベンチ寝パパが1人で公園に連れてきている、と判明した場合、周りにいる親たちは、視界の隅でその子をマークして危険がないか確認しながら、自分の子どもを遊ばせるのです。