年の差夫婦は幸せなのか
結婚は人生の一大イベントであり、できれば幸せな結婚生活を送りたいと思うのは人情です。
心理学、社会学、経済学といった分野で、「どのような夫婦が幸せになるのか」という疑問に答えるためにさまざまな研究が進められてきました。
相手の年収や職種、学歴、家族構成(長男であるかどうか)と、さまざまな切り口で分析されてきましたが、「夫婦間の年齢差」の視点でも分析されています。
ここでの主な疑問は、「同じ年齢の夫婦と年の差夫婦ではどちらが幸せな結婚生活を送れるのか」という点です。
いわゆる「年の差夫婦」は世間でも見かけることがあります。中でも芸能界で目立つ傾向があるでしょう。幸せな年の差夫婦の例もあれば、残念ながら離婚してしまう年の差夫婦の例もあり、はたして「年の差夫婦が幸せなのか」という点はイマイチはっきりしません。
そこで、今回はアンケート調査を分析し、夫婦の年齢差と結婚生活の満足度の関係を検証した研究成果について紹介していきたいと思います。分析に使用したデータはオーストラリアなのですが、日本のわれわれにも参考になる興味深い結果となっています。
男性は若い女性と結婚すると満足感が高い
夫婦の年齢差と結婚生活の満足度の関係を検証したのはモナッシュ大学のワンシェン・リー准教授とコロラド大学ボルダー校のテラ・マッキニッシュ教授の研究です(*1)。彼らの研究では合計で約1万8000組の夫婦を対象に、夫婦間の年齢差によって結婚相手に対する満足度がどのように変化するのかを検証しています。なお、分析対象となる夫婦は、20~55歳です。
彼らがまず分析したのは、「同じ年齢の夫婦と年の差夫婦ではどちらの夫婦関係満足度が高いのか」という点です。
男女別に分析した結果、男性は若い女性と結婚した方が夫婦関係満足度が高くなり、逆に自分よりも年上の女性と結婚すると夫婦関係満足度が低くなることが明らかになりました(*2)。
男性の場合、やはり結婚相手に「若さ」を求めている側面があり、自分よりも若い女性と結婚できると結婚生活の満足度が高くなっていました。おそらくこの傾向は日本でも同じではないかと思います。