部屋割りを工夫して住居費を大幅に節約
<ライフスタイルその5>子どもが独立~夫婦の部屋割り
最後になりますが、子どもが独立した後の部屋割りも考えてみましょう。長い人生の中で、じつは子どもと一緒に暮らす期間は驚くほど短いものです。
生まれたばかりの赤ちゃんが大学進学のタイミングで実家を出て行くと仮定すると、親子が一緒に暮らす期間は、たった18年間。90歳まで生きるとすれば約5分の1しか一緒に暮らさないのです。そのかわり、子どもが独立後に夫婦で暮らす期間は、子どもが50歳で独立したと仮定すると、残り40年。じつに子どもと暮らす期間の2倍以上の期間を夫婦で暮らすことになります。そのため、子どもが独立した後の夫婦の部屋割りはとても大切になってきます。
この部屋割りの際に、大切なことは「寝室を一緒にするか、別にするか」です。長い時間ともに暮らしていると、就寝や起床などの生活習慣が違ってくることも増えてきます。また快眠できる温度なども違ってきます。そういった観点からも、今後長い期間をともに暮らす夫婦の部屋割りを、二人でよく話し合い、考えていく必要があります。
例えば図表7は、洋室1を「夫の寝室」、洋室2を「妻の寝室」とした夫婦別室の部屋割り例です。それぞれの部屋にベッドや机・収納を置いていますので、気兼ねなく趣味などの作業や就寝ができます。
このように、狭い住まいでも部屋割りなどの工夫をすることで、ライフスタイルの変化に合わせた住まいを実現できます。また住み替えや引っ越しなど、生涯支払う住居費も大幅に節約できます。住み替えを考える前に、一度、今の住まいがどのように工夫できるか検討してみることをお勧めいたします。
300軒以上のリビング・寝室・子ども部屋の模様替えを行い、模様替えのスペシャリストとしてTVや雑誌でも活躍。近著に『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)がある。