データ化だけが正解ではない。あえて紙で残したほうがいいもの

できるだけデータ化することをおすすめしていますが、実は、あえて紙で残したほうがいいものもあります。

紙の記録と虫眼鏡
写真=iStock.com/Sezeryadigar
※写真はイメージです

①財産に関する重要な情報
②自動車保険以外の保険証券
③緊急連絡先
④スマホに不慣れな人と共有したい情報
⑤健康診断の結果(持病がある方)

財産に関する重要な情報は、データ化するだけではなく、紙も活用するのがおすすめです。例えば、財産の保有状況や銀行のパスワードなど、自分に万一のことがあった時に、知らないと家族が困るであろう情報です。ただし、泥棒に持っていかれると大変なので、秘密の場所に隠して、ありかを伝えておくか、離れて暮らす家族がいる場合は、その紙を渡しておきましょう。

保険証券も、先ほどお伝えしたように、自動車保険のように確実に加入していることが明らかなもの以外は、紙があるとよいです。データにすると存在を忘れやすくなり、「入ってたかな? 前にやめたんだっけ?」とわからなくなるからです。

石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)
石阪京子『人生が変わる紙片づけ!』(ダイヤモンド社)

緊急連絡先は、スマホが開けなくなった時のためです。学校の電話番号や塾の番号などを集めて、例えば「災害」というチームを作ってまとめておくといいですね。

お子さんやお年寄りなど、スマホを使い慣れていない方と共有したい情報は、紙で残したほうが便利。例えば、ある生徒さんは「冬の服装について」という学校からのお便りは壁に貼り、お子さんに自分で支度させていました。

健康診断の結果は、持病のある方は紙で並べて比較したり、次の病院へ持って行きたいということがあるようです。誰かに見てもらいたい時は、いちいちプリントアウトするのは面倒なので、紙で残されたらいいと思います。

石阪 京子(いしざか・きょうこ)
片づけアドバイザー

宅地建物取引士。JADPメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。大阪で夫と不動産会社を起業、夢のマイホームを手に入れても片付けができないと諦めている多くの人に出会う。自分にできることはないかと女性目線での建築設計、引っ越し後のアフターフォローとして家の片づけを提案。独自のメソッドは、一度やれば絶対にリバウンドしないのが特徴で、これまで様々な片付け法を試したり、プロに頼んではリバウンドを繰り返してきた人たちの「最後の駆け込み寺」となっている。