小学6年生の子どもの成績が塾でほぼ最下位から1位へ。そのきっかけは、塾の送り迎え中に話す内容を変えたことだった。たった3カ月で子どもの成績を劇的に上げた親は、子どもと何の話をしていたのか――。

※本稿は、平本あきお 前野隆司『幸せに生きる方法』(ワニ・プラス)の一部を再編集したものです。

娘を学校に連れていく母親
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国語の成績が塾でほとんど最下位…

前回は、原因論と目的論という2つのアプローチを解説しました。原因論ではなかなか解決できなかった問題が、目的論を使うとびっくりするほどあっさり解決できることがあります。

もう1つ実例を紹介しましょう。小学校6年生のお子さんを持つお母さんのお話です。

そのお子さんは他の教科はまずまずなのに、国語だけは本当に苦手だったと言います。通っている塾の同級生170数人中、170番。ほとんど最下位でした。

送り迎えのときの会話を変えてみたところ…

それで、塾の送り迎えのときの会話に、目的論を使うことにしました。まず、成績の良いところに注目して「算数の成績上がったね」「社会は歴史関係が得意みたいだね」と話すと会話は弾みます。苦手な国語も、できているところ、理解できているところを聞き「そうなんだ。そこは解けるんだ」「それもわかるようになったんだ。前はできなかったところだよね。すごいじゃん」なんていう話をして、「悪いところの反対」に意識を向けるようにしました。

そして、子どもが「でもさ、穴埋め問題が全然わかんない」と言うようなときには「どうしたらいいと思う?」と子どもと一緒に考えるようにしたそうです。

このような関わり方を始めて3カ月で、その子の国語の成績は塾で1番になったんです。

信じられないかもしれませんが、これは私が以前、家庭教師をしていたときのエピソードを紹介したところ、興味を持ったあるお母さんが「真似をしてみたら、本当に成績が上がったんです」と知らせてくださった実話です。