パソコン画面上で物事を考えられないのは本当か
完全なペーパーレスを阻む要因の一つとして、パソコンの画面上で物事を考えられない人が多い、といった点が挙げられます。
これについて私は、多くの人がいまだパソコンの持つ利便性が紙の利便性を上回っていないと感じているせいだ、と思っています。
たとえばあなたは、パソコン上で複数のファイルを扱っている途中に割り込みが入ってそれまで行っていた作業内容を忘れてしまったり、複数のファイルを取り違えて誤ったファイルを更新してしまった、といった悪夢を経験したことはありませんか? こういったことが完全なペーパーレスを遠ざける原因になっているのです。
紙には「閲覧性」や「即時性」といった利便性があります。一方でパソコンには、「共有性」や「複写性」といった利便性があります。そこでもし、パソコンを使って「閲覧性」や「即時性」を得ることができれば、紙の利点を上回るということになります。
複数のファイルをスムーズに行き来できるようになる
それには当然ながらパソコンの使い方を少し工夫する必要があります。
複数のファイル・アプリケーションを瞬時に切り替える、具体的には、ショートカットキーを使ってファイルやアプリケーションを瞬時に切替える方法が有効です。
通常マウス操作で切り替えようとすると、どうしてもポインタ移動の時間がかかりますが、ショートカットキーを使えば、目的のファイルを直接指示で切り替えられるため、頭の中が混乱しにくくなります。
複数のファイルが同時に扱えるようになると、作業効率は格段に上がります。複数の情報を容易に融合できるようになるため、アウトプットの質も高まります。パソコン完結で情報処理ができるため、紙出力が減り、結果としてペーパーレスが促進されるのです。