【健康保険編】定年後の「健康保険」は4つの選択肢がある
退職するときは、健康保険の切り替えを忘れてはいけません。健康保険証がないと、クリニックや病院での治療費や薬代が全額自己負担になってしまいます。選択肢は、国民健康保険だけでありません。どれを選ぶかで保険料は大きく変わってきます。
■健康保険の任意継続被保険者になる
これは退職した後も、そのまま2年間は継続できる制度です。国民健康保険とどちらが得かは一概にいえません。退職前の給与が高い人は、任意継続被保険者を選んだほうが得になることが多いといえます。
とはいえ、それまで会社が半分負担していた分も自分で払うことになりますから、保険料は約2倍になります。ただ標準報酬月額は最高でも30万円程度と上限が決まっているので、給与の高い人にはお得です。
この手続きは急ぐ必要があります。退職の翌日から20日以内に、手続きを済ませなければなりません。退職前から考えておいてください。
■国民健康保険に加入する
国民健康保険は世帯単位で加入するため、家族それぞれに保険料の負担が発生します。国民健康保険の保険料は、前年の所得から計算される所得割と、被保険者の人数で計算する均等割で構成されています。
■特定健康保険組合の特例退職被保険者になる
退職時に、特定健康保険組合の特例退職被保険者であった人が選べる制度です。しかし、最近は組合自体が少なくなり、加入条件も厳しいので利用できる人は限定されています。
■家族の被扶養者になる
配偶者や子どもの健康保険の被扶養者になれば、保険料は必要ありません。ただし、年収などの条件が厳しいため、確認が必要です。
1960年生まれ。株式会社ライフエレメンツ代表取締役。税理士。大前研一氏が設立した起業家・アントレプレナー育成学校アタッカーズ・ビジネススクールを経て、以来30年以上にわたってアントレプレナー支援、インバウンド税務会計に携わっている。大手監査法人KPMGの金融・国際取引税務部、米国海外勤務、外資金融企業勤務を経て三聖トラスト会計事務所を設立。法人向けサービスとして、各分野の辛口の専門家をタレント化するプロダクション部を設ける。また、福利厚生や社員研修の一環として、オンデマンド研修、ビデオコンテンツ制作等をおこなうWEBライブイルミネーター事業を展開している。
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『とっくに50代 老後のお金どう作ればいいですか?』(青春出版社)、監修書には年度版シリーズ『NEW よい保険・悪い保険』(徳間書店)など多数。