両親の離婚後も父と仲良くしたい

【原田】次に、父娘関係も変化しているのかどうか考えてみよう。女子はどうなのかな? 母親、父親それぞれとの関係を教えてくれるかな。

【山本さん】私は小さい頃に両親が離婚して、一人暮らしを始めるまでは母親と暮らしていました。でも母親にはいい印象がなくて、今はまったく会っていません。逆に父親とはちゃんと父娘関係を築きたくて、意識的に月2〜3回は会うようにしています。会った時は服を買ってもらって、ごちそうしてもらって……パパ活みたいですね(笑)。

【原田】親子関係が良くなるマクロトレンドがある中で、ある時期から日本の離婚率が3分の1になり、昔以上に親子関係に悩む若者が増えているのも事実なのかもしれないね。アメリカでは離婚はもっと多くて、僕の2~3年前の調査では、離婚した親に対してネガティブな気持ちを持つ子どももあまりいなかったぐらいなんだ。山本さんはどうなのかな?

【山本さん】子どもの頃は両親を責める気持ちもありましたけど、今はないですね。離婚は父母のせいだけでもないなと思うようになって。だから今、一緒に暮らしてこなかった父親とは仲良くなりたいと思っています。

【原田】きっとお父さんもうれしいだろうね。

家庭を仕切る母親の下で父娘が団結

【橋場さん】うちは家族の中で母親が一番強く、父親や兄弟と母に怒られないように団結しています(笑)。母親がショッピングにいくとなると、父や弟も一緒についてくることが多いです。東京で一人暮らしをしている今も、母親だけでなく父親とも適度に連絡をとっています。でも周りには、母親と団結して父親に対する不満を語り合っている子も多いと思います。

父親の靴下を借りることがある堀井さん(左)と、母親ととても仲が良い橋場さん(右)

【原田】母と娘が結託してお父さんの悪口を言うっていうのは昔から多かった現象で、今でもこっちのほうがマジョリティなんだろうけど、今は父と娘が結託する事例も増えてきているのかもしれないね。父と娘の間でも「友達親子」現象が進んでいるから、思春期にお父さん汚い、みたいに言う女子は減っているように感じますね。

そして、母親が強い母系家庭は実は今一番多いタイプかもしれない。今は男性が良く言えばマイルドに、悪く言えば弱々しくなっている時代だから、一家の大黒柱を父親がやっていた時代から変化し、母親がそれを担っている家庭が増えているように感じますね。

【堀井さん】私は母親とはすごく仲が良くて、毎日その日にあったことを全部話しています。買い物にもよく一緒に行くし、服を貸し借りすることも多いし、完全に友達と同じノリですね。父親は、昔は苦手だったけど今は仲良しで、2人でお昼を食べに行ったりしています。

【原田】堀井さんは父親と出かけることに抵抗がないんだね。思春期以降は「クサいからあっち行って!」ってなる女子も多いと思うんだけど、加齢臭とか気にならないの?

【堀井さん】うちのお父さんは身だしなみに気を使っているほうなので、加齢臭はしないです(笑)。家族共用のクローゼットもありますが、服がクサいと思ったこともないですね。私、靴下を借りることもありますよ。