やりたいことは、家族で楽しむこと

お金が貯まったら何がしたいか? 「これはワクワクする作業だった」と池田さんは目を輝かす。

「毎年、お正月にやりたいことを100個ぐらい付箋に書いて、あれこれ並べかえるのですが、今回はお金バージョンでトライ。旅行したい、ディズニーランドに泊まりたい、夫の実家に行く回数を増やしたい……、1人で付箋にしたいことを書き出しているうちに、結局は『家族みんなで楽しみたい』ことが、私の優先順位1位であることに気づき、子どもと夫も交えて話しました。どれが直近で実現できそうか話し合った結果、3月に卒園祝いでホテルミラコスタに泊まることに! お金を貯める理由が具体的になり、モチベーションが上がっています」

しかし、譲れないものも。「食事は大事なものとはいえ、週に3、4回だった外食を週1回に減らす、朝食はパンではなくごはん、とセーブしていくつもりです。自分の仕事で使うスーツも譲れないかな。人前に出る仕事なので、素材やサイズ感には、こだわりたいですね」

いくつか行動を変えてみて感じたのは、家計管理は無理にしなくてもいいということ。

「“しなくてはいけない”のラインが下がったのは大きかった。そして、何より『家族と一緒に目標を共有する楽しさ』を知ったことも、私にとっては大きな変化でした」

1.次男は、まだ5歳。大学を卒業するときに夫は65歳と考えると、焦りが出てくる。2.1カ月の予算を1週間ごとに分けて袋に。カードを使ったら白い封筒にお金を入れる。3.したいことを付箋に書くことで「すぐにできそうなこと」「時間がかかりそうなこと」と自由に分類できる。4.スーツは、お気に入りのものを。
▼こうすればやめられる!
ファイナンシャルプランナー 前野 彩さんのアドバイス
1:家計簿をつけるという思い込みをやめる
家計簿をつけなくても、家計簿アプリなどで振り返れます。家計簿で家計管理ができるようになるという呪縛から解放されよう!
2:「やらねばならない」から「やりたい」へ
「ローンを返さなければならない」ではなく、「ローンを返したら○○がしたい」と、その先の目標を明確にすると、やる気がアップ。
3:比較をやめて自分らしい使い方を
周りと比べてダラダラ使わず、かけるところはかける、節約できるところは節約と自分らしくメリハリをきかせたお金の使い方が大事。

撮影=強田美央