“モノからコトへ”の時代にマッチしている贈り物

会社が社員へプレゼントを贈る場面には、いろいろある。誕生日、結婚、出産……それに永年勤続表彰も社員の人生にとって、また会社にとって、大切なイベントの一つだろう。

「かねてより、人々が価値を見いだす消費の対象がモノからコトへシフトしているといわれています。福利厚生関連の贈り物でも、まさにモノよりコトが求められる傾向が強まっていると思います。その典型が、旅行。私たちJTBでは、これまで旅行を贈るためのさまざまなツールを企画・販売してきました。それは長く支持されているロングセラーであり、いまの時流に合ったベストセラーでもある。実際、多くの企業で福利厚生に採用されています」

竹内智子(たけうち・ともこ)
株式会社JTBビジネスイノベーターズ
外貨・ギフト営業部
PLUSギフトユニット
事業企画担当マネージャー

こう話すのはJTBビジネスイノベーターズの竹内智子さんだ。同社の宮田三馨さんも次のように続ける。

「業種を問わず、旅行という贈り物の人気は根強いですね。もう30年、ずっとJTBの旅行券を永年勤続表彰にお使いくださっている例もあります。私自身、会社で働く立場から実感しますが、旅行に出かけると転地効果でリフレッシュできる。仕事を長く続けていくためにも、きっと役立ちます」

旅という非日常がもたらす解放感や稀有な出会い、普段の生活では得られない体験によって、人は新しい価値観や、新しい自分自身に目覚めることもある。そうして仕事への新たなモチベーションが生まれ、組織への帰属意識が高まれば、会社側にとっても大きなプラスだ。20年、30年といった永年勤続社員も、まだまだ現役。表彰後のいっそうの活躍に期待するとともに、彼、彼女らを支えている家族に会社からの感謝を表すためにも、旅行を贈ることの価値は広く認められている。

「人材の流動性が比較的高い業種では、優秀な社員に長く在籍してもらう対策として、永年勤続表彰以外のタイミングでも『旅を贈る』ということを有効に活用いただいています。例えばベンチャー企業。それに近年、医療法人などもスタッフを対象に、節目節目に贈呈の機会を設けるケースが増えています」と竹内さんは言う。

「JTBトラベルギフト」はカード型でデザインも自由

宮田三馨(みやた・みか)
株式会社JTBビジネスイノベーターズ
外貨・ギフト営業部
PLUSギフトユニット

「JTBでは3種類の旅行券を発行しています。まず、最も長く親しまれている『JTB旅行券ナイストリップ』は、紙型。そして『JTBトラベルギフト』は、カード型の旅行券です。また、ウェブカタログと紙のカタログの宿泊ギフト『JTBハーモニフト』もあり、3種類それぞれの利点が評価をいただいています」(宮田さん)

なかでも「JTBトラベルギフト」は、企業による活用も意識して2012年に発売された。プラスチック製カードで、券面デザインに基本タイプはあるが、オリジナルの写真やメッセージもプリントできる。

「オリジナルデザインのカードは、お客さまご自身でウェブサイト上でお作りいただけます。そのまま購入手続きまでオンラインで済ませることも可能です」と竹内さん。

宮田さんも「JTBトラベルギフト」ならではの特長について、「紙の旅行券と違い、旅行引き換え時に回収しません。記念になるデザインのカードを、お手元に残せることも好評です」と話す。

JTBトラベルギフト

左/テンプレートを使って製作した永年勤続表彰用デザイン。右/新デザイン(1年用)。2018年2月20日発売開始。

券面額は5000円~50万円で、デザインは自由。有効期限は発行日から10年。永年勤続表彰向けに1年の設定も可能。全国のJTBグループ店舗、電話で旅行代金の支払い、JTBウェブサイトにて海外ツアー・国内ツアー・国内宿泊のオンライン予約・決済にも使える。


JTB旅行券ナイストリップ

紙の旅行券で、券面額は1000円、5000円、1万円。切符の購入から海外旅行にまで使える。有効期限なし。オリジナルのメッセージを印刷することもできる。


プレミアム宿泊ギフト
JTBハーモニフト

カタログデザインは2018年4月からのもの。

JTB厳選の全国100施設から好きなところを選び、ペアで1泊2日できるカタログギフト(7万円相当)。ハーモニフトの上質さを感じられるウェブページも用意されている。有効期限1年。

働き方改革を推進するツールとしても有効

「JTBトラベルギフト」の券面額は、5000円から50万円まで自由設定。カード固有の番号が付いており、JTBがサーバーで利用履歴を管理する。有効期限は10年間だが、永年勤続表彰の場合などは1年間という設定も可能だ。その理由として、竹内さんは税制面でのメリットを挙げる。

「通常、旅行券は表彰金や商品券などと同じく、税法上は給与の扱いとなり、贈られた社員の方に所得税が課せられます。でも旅行券に限って『贈られて1年以内に利用する』などの条件を満たせば、非課税となるのが重要なメリット。もちろん会社側は、その費用を福利厚生費として処理することができます」(詳細は下図参照)

カードに付いた番号ごとの利用データは、JTBから会社へ提供される。会社が番号と表彰社員をひもづけることで、社員に利用を促すことが可能。給与扱いにならない“1年以内”に使うよう、声掛けもできるわけだ。

JTBの旅行券に関するアンケートでは、贈られた経験がある人たちの約9割が「たいへん満足」と回答したとのこと。さらに「JTBの旅行券は、社会課題でもある『働き方改革』にも貢献します」と竹内さんは言う。

「まとまった休みを取って旅行に出かけるのもいいですが、週末などを利用して年に何回も旅行を楽しむ。これも旅行券の上手な使い方だと思います。忙しい社員の人たちに、会社側からそういう機会を提供することによって、働き方改革や生産性の向上も促進されるのではないでしょうか。会社と社員、そのご家族との良好なかかわりを築き、保っていくためにも、ぜひ旅行券をご活用ください」

福利厚生は、社員と会社の両方に価値をもたらすものが理想。贈る側の感謝の気持ちを伝えるのにも適している“旅行”というギフトをあらためて見直してみる必要がありそうだ。