あなたのホルモン、バランスは大丈夫? 肌荒れ、髪のパサつき、そして体調がさえないのなら、まずはホルモンバランスのくずれを疑ってみては?

化粧品やエステで「女磨き」に励んでいても、まずは健康な体であることが基本。私たちの一生を通じて、美と健康に関わる“天然の美容液”が女性ホルモンなのです。女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、それぞれ違った役割を担っています。

エストロゲンは「美のホルモン」ともいわれ、髪や肌のハリやツヤを保ってくれます。バストを豊かにして、ウエストを引き締め、くびれをつくって女らしい体形にするのもエストロゲンの作用。骨や血管の機能を維持する働きもあるので、このホルモンのおかげで健康でいられるわけです。

一方、プロゲステロンは「母のホルモン」といわれ、赤ちゃんを守るために水分や栄養をため込む役割を果たします。さらに子宮の内膜を厚くふかふかにし、体温を上げて妊娠を維持する準備をします。ただし作用が強く出ると、シミができたり、皮脂の分泌が過剰に促されてニキビができやすく、便秘になったり、むくみが出るなどの変化も。美容の観点からすると、うれしくない働きもあるのは確かです。

▼エストロゲン
女性としての魅力を増し、妊娠しやすくするホルモン。肌や髪の新陳代謝を促し、コラーゲンの生成を助けることで、ハリやツヤを保つ。女性特有のボディラインをつくり、骨や血管の機能を維持する働きが。
▼プロゲステロン
受精卵の着床を助け、妊娠を維持するホルモン。赤ちゃんのために水分や栄養をため込む役割が。皮脂の分泌を促し、腸の働きを抑えるため、優位になるとニキビができやすくなったり、便秘になることもある。

ならば、女らしさの源であるエストロゲンだけを増やせば“キレイ”になれると思いがちですが、どちらかが強くなるとマイナスの作用が働いてしまいます。例えば、エストロゲンは乳がんや子宮体がんのリスクを高めることが知られ、そうした暴走を抑えるのがプロゲステロンなのです。

つまり、エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌され、適度な関係を保つことが、女性の健康にとっては理想なんですね。

成城松村クリニック院長 松村圭子先生
婦人科医。若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする頼れる診療で信頼があつく、アンチエイジングにも造詣が深い。TV、雑誌のほか、講演や執筆など幅広く活躍中。

文=歌代幸子