7月31日に投開票を迎える東京都知事選挙。ガラスの天井は壊せばいい――小池百合子氏が都知事に立候補した本当の理由とは?
後ろ盾がなくても、自分の信念に基づいて動く
都政の安定のためには、これまでの延長線上ではなく、ダイナミックに変えるリーダーが必要です。記者会見で「なぜ、都知事に立候補するのか」と問われ、私は「一言で申し上げるなら、たまには女性にしたらいいんじゃないのと思っています」と答えました。今、東京都で山積している問題は男目線ゆえに起きたものがあるのではと感じていました。こうした問題は、視点を変えることで、いい方向に向かうときがある。ただ、都知事がスカートをはいていればいいというものではありません。私は環境大臣、防衛大臣とやってきましたが、たとえば環境省のクールビズは、発想を変えただけで大きな変化がありました。男性の体感温度が低くなったことで、クーラーの設定温度を極端に下げて女性が凍えるようなことも減ったのではありませんか。
今回の都知事選も都民を引き寄せて、「一緒にやろう」というムーブメントを起こせるかどうかがポイントでした。
日本は男性を中心にデザインされている
今の日本では女性がリーダーになることがとても困難です。成功すれば「それぐらいできて当たり前」と言われ、失敗すると「やっぱり女性はダメだ」と言われてしまう。政治家の役割は、制度を整えることも大事なのですが、社会全体の意識を変えていくこと。
これまでも「女性が輝く社会の実現」という公約は出てきましたが、それはワン・オブ・ゼムにすぎず、日本の女性国会議員の比率が、191カ国中156番目という数字が実態です。そもそも日本は、男性中心に動くようにデザインされていて、意思決定の場に女性はわずかしかいない。どんなに能力があっても、女性はその入口さえ閉ざされがちで、「ガラスの天井」があるのです。
だからといって、指をくわえてただ仕事を与えられるのを待っているだけではいけません。まず、徹底的にスキルを磨き、自分自身を厳しく律し、もっと徳を積む。自ら求めて、誰にも負けない技術や知識を得ることで、「ガラスの天井」も突破できるものなのです。