女性の遠慮は期待の裏返し

【グレイ】ほとんどの男性は、女性にとって愛情を表現され続けることがどれだけ重要なことかを分かっていません。彼女が自分にひかれていたのは、自分が彼女に愛を表現し続けていたからだという事実に、全く気づいていないのです。

【本田】愛の言葉をささやき続けることは、そんなに大切なことなのですね。男性にとっては、自分から愛を発信したからこそ、愛が返ってきていたということでしょうか?

【グレイ】まさにその通りです。また一方で多くの女性は、「自分からあれこれ望んではいけない」と教えられてきました。

『ベスト・パートナーになるために』(ジョン・グレイ著、三笠書房)。「男は火星から、女は金星からやってきた」という副題の通り、男女には、まったく異なる星で生まれ育ったほどの違いがあることを前提に、どうすればお互いを理解し合えるか、をまとめた世界的なベスト&ロングセラー。心理学に基づく男女の様々な違い、この違いを乗り越えパートナーシップを築いていくコミュニケーション方法、パートナーシップが自分自身を映し出すこと、パートナーシップのサイクル、など幸せな男女関係を築くための様々な秘訣が書かれている。

【本田】少しずつ世の中は変わりつつありますが、まだ欲しいものをはっきり口にする女性を快く思わない人もいるのが現状です。特に、女性同士はそういったことに敏感な気がします。だから、女性は自分から男性に何かを求めることに遠慮して、その分、相手に期待してしまうのですね。

【グレイ】男性は、女性がお願いすることに対して感じるハードルを理解することです。いつでも自分が彼女の助けになる存在だと伝え、実践し続けることが大切です。

【本田】これは、第3ステージだけでなく、結婚している男性にも当てはまりますね。私も冷や汗が出そうです。仕事で接する人も半数は女性なので、プライベートや職場でも、女性の無言の期待を察することができるように意識したいと思います。

【グレイ】ぜひそうしてください。それが出来れば、お互いがよき理解者、応援者となれるでしょう。

女性に知ってもらいたいのは、自分の望みを素直に表現して助けを求めた方が魅力的で、男性はその女性を追いかけたくなる、ということです。自分でやりたくなる気持ちを抑えて、もっと彼に動いてもらうのです。そして、実際に彼が与えてくれたときは、最大限の愛情と感謝を示すことが大切です。すると、男性は自分が彼女を幸せにしたのだとうれしくなります。

【本田】女性はそうすることで、男性に与える喜びを教えることができるのですね! でもこのことを知らない女性は、自分の悩みや問題を1人で解決しようとして、自分を助けてくれない男性にイライラしてしまいます。そして、男性はいわれのない責めを受けていると感じて、次第に関係が悪くなります。

【グレイ】そうです。パートナーシップに限らず、このことを知っているかどうかで、2人の運命は全く違うものになるのです。