ちょっと変わった不動産を扱うレンタルIT会社を経営する西浦明子さん。 個人輸入業を始めようとしたことがきっかけで、現在のビジネスを思いついた。「これは絶対にイケる!」と感じたという、新しい発想の事業とは?
個人輸入業から、究極の“すきま産業”へシフト
「このビジネスを思いついたとき、ほかにライバル社が見当たらなかったんです。『これはチャンスかも』。そう思ったら、いてもたってもいられなくなりました」
そう語るのは、軒先株式会社の代表取締役を務める西浦明子さん。ちょっと変わった不動産を扱うITサービス業で、例えば休日の美容室の前やマンションのエントランスなどのレンタルを仲介する、究極のすき間産業。西浦さんがこのビジネスを思いついたのは、個人輸入業を始めようとしたことから。
そもそも個人事業を行うきっかけとなったのは、ソニー時代に6年間赴任した、チリでの海外勤務。チリとのネットワークを活かし、当初は現地の雑貨を買い付けして、ネットショップを開く予定だった。本格的に始める前にマーケティングショップでテスト販売をしてみようと、いざ物件を探してみると、短期で借りられる店舗がない。都内にある数少ないウィークリーショップは小さい坪数でも家賃がかなり高い。「個人が試しに販売するのに店舗の家賃が高すぎ。ちょっとしたスペースに置かせてもらえれば……この発想がヒントになりました」
大きなスペースは維持費がかかるため、個人事業で店舗を持つのは至難の業。そんな人たちには、デッドスペースの一角でも十分。「軒先」があれば立派な店が開ける。ほかにはない新しい発想の事業に、「これは絶対にイケる!」と思ったという。