婚活は1週間! そして彼の年収は倍増
結論から言うと、彼女はそのお見合い1回で結婚が決まった。婚活はわずか1週間。この最短記録は今も破られていない。記録を打ち立てたのが若い女性でもデキる男性でもないから、この仕事は本当に面白い。
彼女は、職人の仕事の話に夢中になった。「これも僕が作ったんだよ」と、彼が携わった建築物を巡るデート。彼女はキャリア女性としてではなく、普通の女性として心から彼を尊敬した。
そんなラブラブな日々の中、彼女の一言が彼の運命を変えた。「あなた、こんなに高い技術を持っているのだから、もっとお給料が多くないとおかしくない?」「えっ、そうなの?」「そうだよ! 私が調べてみる」彼女の仕事で鍛えられた眼は、問題を見逃さなかった。彼は相場の半額以下で雇われていることが分かった。その後、彼のインターネット就活が始まる。逆リクルートという制度を使い、同業他社からのオファーを受けた。転職後の年収は以前の2倍を超えた。
結婚する頃には、さらに彼女の年収に近づいていた。その彼が私に言った。「夢のような人生です。彼女は、仕事がデキるかもしれませんが、本当に可愛い普通の女性ですよ。でも僕の挑戦には心から応援してくれたんです。仕事柄、働きながらの転職活動は難しい。『いったん仕事を辞めてもいい?』と、結婚直前に彼女に聞いたんです。『いいよ。今、あなたが転職で失敗したって私がいるじゃない』って。ホント励まされましたよ」
なんと、結婚直前という大事な時期に、彼は転職活動のため一時的に無職になっていた。彼女は、彼を支えるために自分がいる。だから構わないのだと彼の挑戦を精一杯応援したのだ。
「自分の教養レベルに合わないと」とか、「学歴が違い過ぎたら何を話したらいいのか分からないので相応の人を」とは、決して彼女は言わなかった。「結婚したらずっと一緒にいるのだから、素の自分を愛してくれる人がいい」そして選んだ彼は、今やデキる男の仲間入り。
世の中では「嫁ブロック」と言って、夫の夢を邪魔する嫁が話題になっているけれども、バリキャリ女性は「嫁アタック」力を発揮してみてはいかがだろうか<参考記事:共働き夫婦が思わぬ「嫁ブロック」をしないために必要なこと(http://woman.president.jp/articles/-/992)>。
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。