インテル日本法人で、女性として初めてトップに就任した江田麻季子さん。「いままでになかったもの」をつくる会社を率いるために、本を読むことは欠かせなかったという。

次を生み出し続けるための読書

インテルは半導体を作っている会社です。半導体はコンピュータの基盤であり、大変なスピードで進化を遂げていくものでもあります。20年前のパソコンを思い出してほしいのですが、机の上に中型テレビぐらいの大きなCRT(ブラウン管)を置いていましたよね。それがいまでは、腕時計サイズのウエアラブル端末が実用化されているのですから、変化のスピードがいかに速いかわかっていただけると思います。

江田麻季子さん

半導体が小さくなり高性能になることで、それを使ってつくれるものの可能性はどんどん広がっていきますが、その新しいものは宿命的に「いままでになかったもの」でなければなりません。ですからインテルという会社も、次へ次へという挑戦を常に継続しなければならない宿命にあります。

「いままでになかったもの」をつくるために、私はたくさんのビジネス書を読んできました。特に7~8年くらい前からは、ビジネスモデルに関する本をよく読むようになりました。

というのもインテルには、現在抱えているビジネスの問題をどう解決するかを、何週間か泊まり込んで延々と議論する集中的なリーダーシップのトレーニングがあり、私もそれに参加するようになったのがきっかけです。

そうした場では、自分が日常やっている仕事から離れて、広い視野を持って議論をしなくてはなりません。それにはやはり、知識や教養を深めるための読書が不可欠なのです。