賃貸経営の世界のインフラとして機能する


フォーシーズの売上高は、4年間でおよそ1.7倍になる予測。業界での存在感を高めている。

オーナーにとっても、入居者にとっても、極めて手厚いサービスからは、入居者審査の厳しさが想像されるだろう。確かに審査には、国際犯罪組織排除のための取引禁止リストなどを導入し、さまざまな犯罪組織からオーナーの資産を守っている。しかし意外なことに、フォーシーズの保証の承認率は、98%以上にも上るのだ。家賃延滞に関して、オーナーに代わり同社が相当なリスクテイクをしていることは間違いない。なぜそれが可能なのか。

「まず社内のコストは最小限に切り詰めています。延滞の解決にあたる『家賃パトロール部』の業務は内製化し、ノウハウを磨き、効率を高めています。また、営業所は簡素化し、営業車両は自転車やバイク、軽自動車です」

これらの結果、同社は無借金経営までも実現している。そして、オーナーがいっそう安心して同社に任せられるよう、2015年には信託(保全)スキームを導入した。同社を委託者、信託銀行を受託者、オーナー(または不動産会社等)を受益者とする信託(保全)スキームである。家賃は、集金代行業者が口座引き落とし後、信託銀行に預けられ、銀行からオーナーへ振り込まれる。つまり、仮にフォーシーズの事業継続が困難になっても、家賃は保全されるのである。

「当社の事業は、賃貸経営の世界でお金の流れを円滑化するインフラだと自認しています。少なからぬオーナー様が、家賃収入をローン返済に充てていることでしょう。そこで何より大切なのは、お金の流れをストップさせないこと。その役割を担うことで、業界全体の基盤を支えたいと考えています」

大切に人材を育成し盤石なサービス体制へ

社員が優先的に入園できる保育園を東京、福岡で開設したり、社内運動会を開催したりすることで、働きやすい職場づくりを推進。スタッフの心のゆとりが、サービスの質の向上にもつながっている。

前述のとおり社内コストの最小化を追求する半面、社員を大切にし、離職率を低く抑える努力を惜しまないのもフォーシーズのポリシーだ。働きやすく風通しのよい職場の維持・向上を目指し、社員に対する経営指標の見える化や、社内コミュニケーションの促進、福利厚生の充実などを実践。コーポレートスローガンにある「人にしかできない事」を本当にやり遂げる人材を育て、事業の継続性を高め、真にインフラと呼べる盤石なサービス体制を強化している。

そうしたフォーシーズの信頼性は、右肩上がりの売上高にも表れているといっていいだろう。他の保証会社から同社へ切り替えるオーナーもあるという。

「オーナーの皆様が本来行うべき仕事は、物件の入居率を高めたり、入居者の方たちの満足度を上げたりすること。家賃延滞や立ち退きの対応に煩わされることなく、そうした前向きな仕事に集中できる環境を整えるのが当社の役目です。課題や悩みがあれば、ぜひ、フォーシーズにご相談いただければと思います」