「当たり前」を見直し、やり方を変えることで、新たな状況が生まれる。今回紹介するラクスの「楽楽精算」は、まさしくそんな業務改革をサポートするITツールの一つだ。今年5月公開の映画『天才バカヴォン』とのタイアッププロモーションも話題のこのクラウド型経費精算システムの経営価値とは──。
導入企業数は2年強で
およそ4倍に
大企業に比べ、業務に果たす社員一人一人の役割が大きい。当然ながら、これが中小企業の実態だ。ただそれは、一方で個々の社員の生産性向上がダイレクトに業績アップにつながることも意味している。中小企業では、一人の変化が会社に与える影響が大きいのである。
そうしたなか、近年は「経費精算」に着目して業務改善を目指す企業が増えてきているという。企業間の競争がますます激しくなるなか、交通費の精算など日常的な業務に潜む無駄にも焦点を当て、社員の仕事の質、生産性を上げていこうというわけである。
経費精算といえば、紙やエクセルのフォーマットに記入して、しかるべき部署や上長に提出する。まだそんな会社が多いだろう。しかし、乗った電車の経路や料金を一件一件確認したり、定期券と重なる区間を差し引いたり、考えてみれば手間の多い作業だ。また、上長は上長で申請の承認を行わなければならないし、経理担当が内容の確認や会計システムへの再入力をする労力も見逃せない……。
そこでラクスが提供するのが、“申請→承認→精算”の一連のフローをIT化する「楽楽精算」だ。すでに中小企業を中心に約760社が導入しており、クラウド型経費精算システムでは導入数第1位。2012年末の導入企業が約200社だったというから、この2年強で導入社数が4倍近くに急増したことになる。
そんな「楽楽精算」でまず便利なのが、乗換案内ソフトを内蔵し、交通系ICカードの履歴読み込み機能を備えている点だ。ICカードリーダーにカードをかざすだけで経路や運賃が自動入力されるため、いちいち手入力をする必要がない。毎月交通費精算に多くの時間を費やしている営業担当者にとっては、大幅な時間短縮につながる非常に便利な機能だ。
また、ITによる自動化は、もちろん上長や経理担当にとっても大きなメリットだ。申請ミスが減るため、確認、チェックにかける時間、手間を削減できるし、不正申請の防止にも効果を発揮する。
加えて経理担当にとっては、自動仕訳機能が非常に有効だ。この機能により、申請者が選んだ項目はそのまま勘定科目や税区分に紐付けられるため、経理担当が何もしなくても仕訳が完了する。さらに自動仕訳されたデータは、普段使っている会計ソフトに取り込むことができるので、手入力する必要がないわけだ。