ストレスの脅威から
胃腸を守るには?

胃腸の健康を守る上で、もう一つ気になる話題といえば、やはりストレスとの関連である。

「実際に、ストレスは健康に影響を及ぼします。胃や腸は自律神経の支配下にあり、副交感神経がつかさどっています。つまり、胃腸がしっかりと働くためには、リラックスした状態が必要なのです。ところが、常にプレッシャーを感じていたり、時間に追われていたりする方は、なかなか息抜きをするタイミングがない。長時間にわたって交感神経が活発になり、いつも緊張状態にさらされてしまうことになります。睡眠中は副交感神経に切り替わるチャンスですが、就寝時間が不規則だと、体のリズムは崩れるばかりです」

生活をいきなりガラリと変えるのは現実的ではないが、ちょっとした工夫なら十分に可能だと、後藤先生はアドバイスする。

「軽めの有酸素運動が胃腸の働きを向上させます。自分が気持ちよく歩けるペースでのウオーキングや犬の散歩などは、ストレス発散にもなりますし、お勧めですね。激しい運動は交感神経が活発化し、逆効果になることもあるので注意しましょう」

スタートは、自分の
体を十分に知ることから

仕事の追い込みや飲み会などが立て込む年末。できるだけすっきりと今年を締めくくり、2015年も第一線で元気に活躍する。そんな胃腸づくりを目指す上で、心強い味方となりそうなキーワードがある。

「それは乳酸菌です。代表的なものはヨーグルトで、毎日食べることで善玉菌を増やすことができます。早い人なら、2週間ほどで体質に変化が現れることもありますね。さらにヨーグルトは、ストレスホルモンの低減や、集中力のアップに貢献するといった研究結果も報告されています。忘年会や新年会の翌日は、乳酸菌を補って、腸内細菌のケアを意識してみてはどうでしょうか」

最後にもう一つ、新たな1年を迎えるビジネスパーソンへ、後藤先生はこんなメッセージを発信する。

「食生活を改めることは、最低限の心がけです。自分には、どんな健康管理が合っているのか。それを理解するために、例えば大腸内視鏡検査を受けるなど、まずは体を正しく知ることからスタートしていただきたいですね」