さらなる上を目指す
原動力は達成感

──プロゴルファーとして刺激を受けるもの、自らのモチベーションを高める原動力は何ですか。

【室田】いま言ったように、僕は試合をやりながら高めていくタイプ。プロゴルファーは、結果です。優勝もそうだけど、昨日できなかったことが、今日はできる。「この難コース、ついにアンダーパーで回れた!」とかね。この“達成感”が次への原動力になっている。何かを達成した後には、「よし、今度はもっと」という気持ちもわいてくるし。それに中嶋さんも言ったけど、何より好きなんだね、ゴルフが。だから口では「もうダメだ」とか言っているけど、心はいつも前向きです。

【中嶋】僕の場合は、やっぱりライバルの存在が一つ。あとは若い選手と同じフィールドで戦える喜び。それに新しいクラブやボールを使うときのワクワク感かな。好奇心が強いので、新しいものに挑戦したい、という思いは常にある。“やるかやめるか”、迷った時は、臆せずやってみる。いいと思えば、試合当日でも道具を変えます。どうせ後悔するなら、やって後悔の方が自分の成長にもつながるから。そうして、自分で刺激を求めているところもあるね。

──いつも前向きなお2人ですが、今後の目標をお聞かせください。

【中嶋】ゴルフというのは、近づいたなと思えば逃げていく、常に目標が先にあるスポーツ。だから経験を重ねても新鮮に戦える。きっと人生も同じで、それは頂上の見えないエベレスト。まだ見ぬ最高峰を目指して、登り続けていく。クラブを置いたときに初めて、ここが自分の人生の最高地点だ、と思えるんだろうね。そのためにもプロとしての球を打ち続け、ギャラリーをしっかりと沸かせて、いつも「ゴルフ場で1番輝く選手」でありたいね。

【室田】ゴルフに完成はない、本当にそう思いますね。だからそれを目指して頑張り続けることができる。そして頑張っていれば、次のチャンスが訪れる確率も高まる。チャンスがきてから頑張っても駄目で、ここぞというときに本領を発揮できる心と体を準備しておくことが、輝き続ける秘訣でしょう。

【中嶋】チャンスをつかむということでは03年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」のコースレコードはすごかったね。62ストロークだっけ?

【室田】そうです。ああいうことがあるから、ゴルフは面白い。いまでも1番ホールから全部振り返ることができますよ。それだけ集中していた。やはり日頃の努力の賜物です(笑)。

【中嶋】本当だね。今年はぜひ、僕ら2人で優勝争いをできるよう頑張ろう。