テニス以外の習い事の削減と妻のパート収入で黒字に
初回相談の時点で、新井さんは「妻に『働いて』と言っても、簡単には納得してもらえない。まずは自分にできることをやってから、少しずつ話していきたい」という意向でした。そこでまずは、ご主人が一人で管理している支出から見直しを始めることになりました。
食費や日用品は買い物の内容と頻度を見直し、通信費は格安スマホのプランに切り替え。教育費も、長男の塾や下のお子さんたちの習い事の回数を調整するなど、削れるところは削っていきました。その結果、食費は18万円から13万5000円へ、教育費は14万円から9万円へ。日用品代やガソリン代なども含めて、削減できたのは計月12万1000円でした。
それでも、約2万円の赤字は残りました。
そこで新井さんは、これまでの見直しの成果を数字で示したうえで、あらためて奥様に働くことを提案。具体的な数字を見た奥様は、長男のためにお金をかけたい気持ちもあって、ようやく働くことを受け入れてくれたそうです。
今では長男の送迎などに支障のない範囲で週1〜2回のパートを始め、月4万円ほどの収入が加わりました。テニス以外の習い事の削減と収入増により、めでたく月1万8000円の黒字に転じたのです。
妻に「働いて」と強く言えなかった理由
切り詰めても切り詰めても、なお残る赤字。最後の手段が妻のパート。なぜここまで、奥様に働いてもらうことが難しかったのか。
実はこのご夫婦には、もう一つ特徴的な事情がありました。新井さんは奥様より8歳年上で、「妻は苦労せずに育ってきた人なんです」と話します。お嬢様というほどではないものの、やりたいことはやらせてもらってきた、プチお嬢様タイプだと言います。奥様は「夫がしっかり管理してくれている」と信頼している様子でした。その信頼を裏切るようで、新井さんは「貯金が減っている」となかなか言い出せずにいたというのです。
一方で新井さん自身は、家計のために数年前に禁煙・禁酒し、月にするとすでに4万円ほどの支出を減らしていました。お小遣いはなんと月1万円のみで、交際費も娯楽費もゼロ。毎朝4時に起きて自分と長男のお弁当を作り、水筒を持参する生活を続けていたといいます。
では奥様はどうかというと、決まったお小遣いはないとのこと。ただ、新井さんの話を聞く限り、化粧品は日用品代に、外出先での飲食は食費にといった具合に、他の費目に紛れている可能性がありました。また、義父母と出かけた時に買ってもらっていたのではないか、と。それでも奥様に愚痴を言わず、自分の支出を切り詰め続ける新井さんには、頭が下がる思いでした。
