何でも話せる親子関係の構築も

もし子どもが怖い経験をして帰ってきたときは、子どもの話をさえぎらず、最後まで冷静に聞くことが大切です。親が大騒ぎすると、子どもがさらに不安になったり、トラウマを抱えてしまったりすることがあると天野さんは言います。

「よく話してくれたね、頑張ったねと言って、まず抱きしめる。そして、もし相手が知り合いだった場合は、物理的に距離を置くなどまずは子どもの安全を第一に考えて。子どもが落ち着きを取り戻したら、一緒に対策を考えます。子どもの不安が消えるまでは、しばらく親が付き添うなど、親がしっかり向き合ってください」(天野さん)

SNSやゲームのボイスチャットなどで子どもが知らない大人とつながる機会もある今日、どれだけ具体的な対策を伝えても、子どもが親に話せなければ意味がありません。そのためには、親子の間に「何を話しても大丈夫」と思える信頼関係が築かれていることが大切だと、てぃ先生は言います。そして、こんな話をしてくれました。

「集団下校の帰り道、ボランティアの誘導員がいつも子どもたちにあめ玉を配っていました。相談できる親子関係が築けていた子どもは、『食べていい?』と親に確認しました。一方、『どうせダメと言われる』と感じていた子どもは、黙って口に入れていたそうです。その誘導員がどういう人かという問題ではなくて、困ったとき、いつもと何かが違っているとき、親に言えるかどうかという親子関係の問題です。なんでも話せる関係を築くことが、一番の防犯になります。そのためにも、親が子どもを信じること。親から信頼されていると感じている子どもは、話してくれるだけでなく、いざというときに持てる力を発揮して、自分の身を守ることができるものです」(てぃ先生)

※本稿は、『プレジデントFamily2026夏号』の一部を再編集したものです。