わが子が上手な絵を描いたら「うちの子は絵の才能があるのかも」と喜ぶ様子を「親バカ」とも表現します。これについて心理学者の内藤誼人さんは、親バカの姿勢でいるほうが子どもにとってプラスになると断言し、子どもの才能を伸ばす声かけについて指南します。
子どもの才能を伸ばすピグマリオン効果
「親バカ」は、心理学でいう「認知のゆがみ」です。現実より理想化した視点で子どもを評価するクセがあり、子どもを客観視しづらくなっている状態といえます。
しかし、現実を見て厳しく評価し、期待しないでいるよりは、親バカな視点で期待をかけたほうが子どもの才能や長所は伸びるとわかっています。
それを示すのが、教育心理学で有名な「ピグマリオン効果」、別名「教師期待効果」です。他者から期待をかけられると、学習や作業の成果が上がりやすくなるという効果で、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが、ある小学校で行った実験が有名。ランダムに選んだ数人の児童について「今後成績が伸びる生徒」として教師に知らせたうえで接させると、その児童たちの成績がほかの児童よりも優位に伸びたというものです。
無数の研究データを組み合わせて全体としての効果を推定する「メタ分析」の結果、ピグマリオン効果により、8割から9割と高確率で、期待された側のパフォーマンスが上がったという結果が出ています。これはつまり、親の直感(親バカ)の8割から9割は当たる、ということです。
ピグマリオン効果は5年、10年続くというデータもあり、たとえば5歳から繰り返しポジティブな声かけをしていた場合、10〜15歳になったときにも効果の持続が期待できるようです。親の接し方、声かけの重要性がわかりますね。
ピグマリオン効果と対照的なのが「ゴーレム効果」で、相手に期待しなかったり見込みがないと思っていたりすると、パフォーマンスが下がってしまうという心理現象です。「パパもママも理数系が苦手だから、あなたも算数はできなくて当然」といった言葉は、ゴーレム効果の引き金になり得ます。


