なぜ子どもに口を出してしまうのか

「ちゃんと向きは確認したの?」

夕食の準備でお箸を並べてくれた子どもに念押しをしたり、指示をしたり。

私たちはなぜ、子どもが自分で決めて行動していることに、つい口を出してしまうのでしょうか。

もちろん、子どもがまだ知らないマナーやTPOに合わせた行動を教えたり、安全面を確保したりすることは必要です。ただしその際に、

・マナーだと言いながら、親の価値観の押しつけになっていないか
・周りから親である自分がどう見られるかを気にし過ぎていないか
・やるなら完璧でなければ意味がないと思っていないか
・親の想定通りにできていないことには価値がないと感じていないか
・自分のやり方が一番正しいと思いこんでいないか

などについて、言葉を発する前に自分自身に問い直す必要があります。

親が必要以上に確認をくり返したり、子どもだから仕方ないと軽んじたりと、過保護や過干渉の関わりを続けると、子どもは自分の判断に価値がないと感じます。そして、自信や「役に立とう」という意識を持てなくなってしまいます。

叱られる男の子
写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
※写真はイメージです

アドラー心理学では、自分の行動から生じた結末を、自分自身の選択の結果として体験することを「成長の機会」と捉えます。子どもが、「自分の課題」として請け負うのです。

全身赤コーデで登校した小2息子

我が家の息子が小学2年生のとき、ある朝、Tシャツもズボンも靴下も靴も赤という出で立ちで、意気揚々と登校しようとしていました。

スーパー戦隊シリーズが大好きだったので、中心メンバーの赤(レッド)をイメージしたのでしょう。

周りの目も気になり、正直、「全身、赤で行くの?」と止めたい気持ちでした。

でも、本人は誇らしげで、とても満足そうな様子です。その姿を見て、

「今日は真っ赤なんだね……」

と、「……」に込めた意味をくみ取ってほしいと思いながら送り出しました。

その日の夕方、同級生のお母さんから

「今日、真っ赤だったけどいいの?」

と、早速チクリと言われました。そのとき私の中に、「いいんじゃない? 本人は満足しているのだから」という、反発したい気持ちが湧いたのです。

同時に、もし私が登校前に同じように口出しをしていたら、息子もこんなふうに感じたのだろうと気がつきました。

同じようなコーディネートで2日間登校した後、3日目の朝。

「全身赤なんておかしいって言われたから、もう着ない。」

と息子は言い、真っ赤なコーディネートでの登校は終わりを迎えました。