秋篠宮さまは「皇太子」ではない
今や世界で唯一となったわが国の欠陥ルール(一夫一婦制+男系男子)のもとで、皇位継承順位が暫定的に第1位とされている秋篠宮殿下ご自身も、皇位は「その務めに向けて最もよく準備された人物」として、直系の長子=敬宮(愛子内親王)殿下によって継承されるのが最もふさわしい、とお考えだと拝察できる。
いくつか具体的な事実を列挙しよう。
まず、秋篠宮殿下は次代の天皇として即位することが確定している「皇太子」類似の称号を、自ら辞退されている(朝日新聞デジタル令和2年[2020年]11月8日配信)。だから退位特例法でも一般名詞の「皇嗣」と呼ぶほかなかった。
お住まいも「東宮御所」でなく、ほかの皇族方と同じように「秋篠宮邸」。お出ましも「行啓」という特別な言い方でなく、普通に「お成り」と表現される。
これは、内閣の助言と承認によって当事者のお気持ちに関係なく前代未聞のセレモニー「立皇嗣の礼」が行われても、何ら変更はない。
特例法に「皇室典範に定める事項については、皇太子の例による」(第5条)とあるのも、皇室典範では傍系の皇嗣は皇籍離脱の可能性を残していたり(第11条)、摂政就任の優先性をもたなかったり(第19条)するのを、単に「皇太子の例」にそろえたにすぎない。
「傍系」の自覚
秋篠宮殿下は時代が「平成」から「令和」にうつる時に、皇室の中枢である内廷(天皇ご一家と上皇上皇后両陛下により構成)に加わって、直系に準じた位置付けになられる選択肢もあった。しかし、傍系の表示である「秋篠宮」という宮号をご自身の意思で維持され、ずっと内廷“外”皇族のままでいらっしゃる。
あるいは、宮殿には天皇皇后や皇太子同妃だけが出入りされる御車寄という特別な玄関がある。令和の今は、上皇上皇后両陛下もお使いになる。ところが、秋篠宮同妃両殿下はその玄関を使うことを控えられ、少し遠回りになってもほかの皇族方と同じく、西車寄を使っておられると仄聞する。
また戦後に始まった、一般の国民がボランティアとして皇居と赤坂御用地で清掃作業にあたる皇居勤労奉仕では、天皇のほかに皇太子のご会釈(非公式に会うこと)もある。皇太子なら赤坂御用地の東宮御所の中で行われる。
ところが秋篠宮殿下の場合は、わざわざ奉仕者の休憩所までお出まし下さる(これは私自身も体験した)。しかも、その事実は宮内庁のホームページに載せていない。これは当然、殿下のご指示によると考えるほかない。
いずれも、直系の皇太子とは異なる傍系の皇嗣というご自身のお立場への、へりくだったご自覚によるものだろう。