冷静な観察力で「よりよくなる意見」を伝えればいい
ここではホメのテクニックが2つ使われています。いずれもスネ夫が使うホメの基本テクニックです。
1つ目は、大げさな身振りでホメることです(身振り手振りを入れてホメる法則)。「真剣にホメているからこそ感情がたかぶって、ついつい体が動いてしまっているのだ……」と相手に伝える効果があります。
そして、2つ目。「きみは道をまちがえている! 歌手よりも画家を、めざすべきだ!」というセリフに注目してください。これは、相手にアドバイスをするという形をとって、結果的にホメています(アドバイスしながらホメる法則)。
コンサルタント、もしくは批評家っぽい発言で、ちょっと「上から目線」に感じられるかもしれませんが、結果的に「ホメていますよ、あなたの実力を買っていますよ」というメッセージを発信することができます。
口ベタなあなたは、あえて「チャラ男」藤森さんを目指す必要はまったくありません。「批評家」「コンサルタント」よろしく、アドバイス型のホメで攻めましょう。求められるのは「チャラさ」ではなく、冷静な観察力です。
相手をじっと観察して、ホメるところを見つけて「こうすればよりよくなる」という意見を伝えればよいのです。アタマは余計に使いますが、踏ん張りどころですよ。
「いい事をした瞬間にホメる、だから観察が必要」
最後に、シドニーオリンピックの女子マラソンで金メダルを獲った高橋尚子さんを育てた故・小出義雄監督の、こんな名言をご紹介しておきましょう。
「ホメ方もタイミングです。いい事をした瞬間を見逃さずにホメる。だから観察が必要。ただ可愛がるだけではダメです。そしてその子に夢を持たせるホメ方がいい。とにかくどんな子でもホメるところはある」(朝日新聞2000年11月25日朝刊より引用)
1942年岐阜県生まれ。1976年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。フルブライト交換留学生(ペンシルベニア州立大学)。富山大学人間発達科学部名誉教授。生涯スポーツ論専攻。教育学博士。ドラえもんアナリスト。登場人物が夢や悩みにどのように対応し、解決したかを考え、人生を豊かにする方法を模索する「ドラえもん学」を研究。主な著書に『「のび太」という生きかた』『「のび太」が教えてくれたこと』『「スネ夫」という生きかた』(アスコム)がある。
