AIを道具として使いこなした証拠を示そう

いま入試で評価されるのは、「AIを使って何を生み、何を解いたか」という成果です。単に「ChatGPTを使って書いた」では価値が伝わりません。大学が見たいのは、「課題の定義→解決の設計→検証→振り返り」というプロセスを、自分の頭で回しながらAIを道具として使いこなした証拠です。

例えば、地域の課題データを集めて需要予測モデルや可視化ダッシュボード(数字や状況がひと目でわかる画面)を実装(使える形にすること)し、GitHub(オンライン上でプログラムを保存・共有するプラットフォーム)でコードとドキュメントを公開する。学校の業務(出欠集計、教材タグづけ、アンケート集計など)を自動化し、「作業時間を月◯時間削減」と数値で効果を示す。

こうした取り組みは、AIを“面白い技術”で終わらせず、実社会の価値に接続できていることを証明します。

併せて、データの偏り(Bias)、説明可能性(Explainability)、再現性(Re-producibility)といった倫理・責任ある利用に触れておくと、評価は一段上がります。

デスクで勉強しながらスマートフォンのAIチャットボットを使用する10代の少女
写真=iStock.com/Thai Liang Lim
※写真はイメージです

「問題解決=○」「書く=×」

なぜ、AIリテラシーが大学入試で重要なのか。その理由は大きく3つあります。

第一に、AIはほぼ全分野の基盤リテラシーになりつつあり、医療・金融・政策・クリエイティブに至るまで、問題解決の初手に挙がる“共通言語”だからです。

第二に、AIを使った成果は、数字・コード・成果物として可視化しやすく、選考側が客観的に比較しやすいからです。

特に生成AIの普及後、入試では「自分で考え、検証した痕跡」を重視する流れが強まっています。

第三に、AIプロジェクトは学際性の証明になるからです。

データ収集、統計・アルゴリズム、UI(User Interface・利用者が直接見たり触ったりして操作する部分)/UX(User experience・利用者が使って感じる体験全体)、倫理まで横断するため、大学が求める「批判的思考×実装力×社会的視点」を一度に示すことができます。

要するに、AIは“書かせる”ためのツールではなく、価値を生むためのインフラ(生活や仕事の土台となるしくみ)。入試で光るのは、「AIを使った小さな実装が、身近な課題の解決をたしかに前に進めた」という事実です。あなたのコードと検証結果、そしてユーザーの一言が、最良の推薦状になります。

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なお、AIを用いて出願書類を作成することは厳禁です。大学の入学審査オフィスも、AIによる不正検知ツールを導入しています。万が一、不正が疑われれば、即座に不合格となるリスクがあります。