「どこで学ぶか」選択肢を広げよう

アメリカやカナダなどの海外主要都市も、家賃や物価は決して安くありません。例えば、ニューヨークやサンフランシスコでは、ワンルームの家賃が2,000ドル(約30万円)を超えることもあります。しかし、重要なのは収入水準がそれに見合って設定されている点です。アメリカでは新卒でも年収6~8万ドル(約900~1,200万円)というケースも珍しくなく、業種によってはそれ以上のスタートもあります。つまり、生活コストは高いものの、それに応じた賃金が支払われるため、家賃や物価の高さをカバーしながら、貯蓄や自己投資に回すことも十分に可能です。

また、アメリカなどの先進国では、大学在学中からインターンシップや研究活動、スタートアップ(イノベーションのアイデアを持ち、急成長を目指す企業)への参加などを通じて、実践的なスキルやネットワークを築く機会が豊富に用意されています。こうした経験は、将来のキャリアにおいて学歴以上の価値を持つ場合もあります。留学中に培った国際感覚や行動力、人脈は、グローバルな舞台で自分らしく活躍するための“武器”となり、職業選択の幅を大きく広げてくれます。

日本がかつて誇った経済的な豊かさは、いまや過去のものとなりつつあります。これからの時代には、国内外で通用するスキルとグローバルな視野を持つことが、成功のカギ。将来の進路を考えるにあたっては、「どこで学ぶか」「どんな経験をするか」がますます重要になっていくのです。

いじめられっ子だった私が留学を決意したワケ

日本の現状についてお伝えしてきましたが、私自身はどうだったのか。ここで少しだけ、私の過去と留学経験についてお話ししたいと思います。

中学生の頃の私は勉強も運動も苦手で、いじめの標的になっていました。そんな私を救ってくれたのが、体育教師の松野先生でした。毎朝一緒にトレーニングをしてくれたおかげで自信がつき、いじめも自然となくなりました。先生に「恩返しがしたい」と伝えると、「同じような子に手を差し伸べてやれ」と言われ、それが体育教師を目指すきっかけになったのです。

川を見ているアジア人男性
写真=iStock.com/AH86
※写真はイメージです

教師になってからは全力で生徒と向き合いましたが、教育を変えるには情熱だけでは足りないことを痛感しました。そして専門性を身につけるべく国内の大学院への進学を考えたものの、その環境に失望した私は、「本物から学ぶには海外に行くしかない」と決意。英語が苦手だった私は、外国人に話しかける“無謀な修行”を自分に課しながら準備を進めました。