脳科学者の成田奈緒子先生が、子どもの「論理力」を育む方法を教えます。

感情に振り回されず、論理的思考で行動する

「どーんじゃんけん」や「だるまさんがころんだ」は、状況の変化に応じて即座に判断し、その後の自分の行動を決めなければなりません。

起こりうるいくつかのパターンは事前に想定することができますが、ドキドキ、ハラハラするゲームの中では、感情が先走ってしまい、考えていた通りの行動を起こしにくいものです。

こういった状況で必要になるのが、脳の抑制的な働きです。「逃げたいけど、我慢して動かない」「ずっと安全なところにいたいけど、思い切って走る」

このように、感情に振り回されず、論理的な思考に基づいて行動できる習慣を身に付け、実生活に生かせるようになることが大事です。

子どもの論理力を高めるとは、単に「AだからB」と言葉で理屈を言えるようになることでなく、体を使って論理を覚えていくことです。

単純に見える「タオル取り」も、中には、なかなかうまくいかないことに業を煮やし、途中であきらめてしまう子もいます。「つらいけど、工夫して練習すれば、うまくいくはずだ」とチャレンジを続けることも、脳の抑制的な働きを鍛えます。

どーんじゃんけん 〜育つ力:思考の柔軟さ、論理的な判断力

向かい合った2人が歩み寄り、「どーん!」と手を合わせてからじゃんけんをします。じゃんけんに負けたほうが、初めに決めておいた場所まで逃げ切れば勝ち。途中で捕まったら負け。

「じゃんけんに負けたら逃げる」「勝ったら追う」という役割を瞬時に理解し、行動を切り替える必要があるため、脳の抑制的な働きが強化されます。体を動かしながら判断と切り替えを繰り返すことで、思考の柔軟さや論理的な判断力の土台が育まれます。

また、じゃんけん自体も、相手の出したものを瞬時に見分けるために動体視力が必要となるうえ、勝敗を瞬間的に判断しなければならないため、育脳と深く結びついた遊び。相手とタイミングをそろえることも重要です。